昨今、ビジネスバッグの常識が大きく変わりつつある。働き方改革やリモートワークの浸透により、かつての「重厚感こそステータス」という価値観は、急速に過去のものとなった。そんな時代に、創業115周年を迎えたサムソナイトが放つ意欲作が、「SUB-LIM(サブリム)」のリミテッドモデルである。

 

Photographs:Koki Marueki
Styling:Seiichi ito
Composition & Text:Yuji Kuramochi

スーツ営業マンの背中に異変! オフィス街で密かに進む変革とは……

 コロナ禍を経て、私たちの働き方は大きく変容した。オフィスでの仕事、リモートワーク、出張——。一日、あるいは一週間の中で、働く場所はめまぐるしく変化する。ノートPCを広げたカフェのテーブル、資料を取り出す取引先の会議室、スマホで急ぎの連絡を入れる駅のホーム。そんな予測不能な日常において、ビジネスバッグに求められる要件も多様化の一途をたどっている。

 その変化は街の風景にも表れた。金融街を歩けば、スーツ姿でバックパックを背負うビジネスパーソンの姿は、もはや珍しくない。自転車通勤者の増加も、バッグ選びに新たな視点をもたらしている。出社する日もあれば、終日テレワークの日も。こうした新しい働き方の中で、バッグは「見せる道具」から「使う道具」へと、その本質を変えつつあるのだ。

あなたの働き方、そしてバッグは時代に取り残されているかも!?
あなたの働き方、そしてバッグは時代に取り残されているかも!?

重量わずか800グラム! こうして“軽量化の常識”は覆された

 このような時代の要請に応えるべく誕生したのが、「SUB-LIM」コレクションだ。「荘厳な」「気品のある」を意味する「SUBLIME」という言葉に着想を得たこのコレクションは、2021年のグッドデザイン賞を受賞。革新的な機能性と究極のシンプリシティを兼ね備えたデザインで、ビジネスからカジュアルまで、あらゆるシーンをスマートに演出する。

「サブリム 115TH BLUE LIMITED EDITION」2Way Bag M Blue Handle 49,500円
「サブリム 115TH BLUE LIMITED EDITION」2Way Bag M Blue Handle 49,500円

 その代表作である2Way Bag Mは、約800グラムという圧倒的な軽量性を誇る。高さ41.0cm、幅28.0cm、奥行き13.0cmというスマートなサイジングで、混雑した電車内でも扱いやすさを考慮したデザインだ。これは決して機能性を犠牲にした結果ではない。本体素材には、ディクロスとデューロンという2種の先進素材を採用し、強度と耐久性を確保しながら優れた撥水性も実現している。

 特筆すべきは、素材選定における徹底したこだわりだ。フロントパネルには強化ポリウレタンコーティングを施した特殊素材を採用し、傷つきにくさと高級感を両立。サイドには高密度に織られた撥水ポリエステルファブリックを配し、雨天時の信頼性を確保している。さらに内装には、使用済みペットボトルを原料としたリサイクル素材を用いることで、高い機能性を保ちながらも環境への配慮というサステナビリティの責任を果たしているのである。

指一本でも力を入れずに軽~く持ち上げられる!
指一本でも力を入れずに軽~く持ち上げられる!

見えないところにこそ真価あり。2wayの革命児が仕掛けた逆転の発想

 このバッグの真骨頂は、バックパックとブリーフケースの2wayスタイルを、妥協のない形で実現した点にある。特に革新的なのは、背面のショルダーハーネス収納システムだ。従来の2wayバッグでは、ブリーフケースとして使用する際にストラップが不格好にぶら下がり、見た目を損ねていた。この問題に対し、一般的な収納方式ではジッパー開閉式が主流であったが、SUB-LIMはその常識を覆し、背面のスリーブに差し込むだけの簡単な動作で完全収納を実現した。このセットアップスリーブはスーツケースのハンドルに固定することも可能だ。

 さらに、縦持ち、横持ちどちらの場合でも、スマートに収まるハンドルデザインを採用。一見して2wayバッグとは気づかないほど、洗練された佇まいを表現している。このように細部にまでこだわり抜いた設計は、形式にとらわれない実用性と美しさの両立という、バッグデザインにおける新たな価値観を体現しているのである。

バッグ背面の太いスリーブにショルダーハーネスを収納した状態
バッグ背面の太いスリーブにショルダーハーネスを収納した状態

使いづらさとはもうサヨナラ! 新時代の収納設計が生み出す快適生活

 収納の使いやすさは、細部にまで及ぶ。メインコンパートメントは三辺開口が可能で、様々な角度からのアクセスに対応。PCポケットは14インチまでのデバイスに対応し、本体背面から直接アクセスすることも可能だ。これにより、メイン収納部を開けることなく、素早くPCを取り出せる仕組みとなっている。

 ファスナーの引き手は、中央に窪みを設けた縦長のフォルムを採用。片手での開閉がスムーズに行える工夫が光る。内部の収納は縦持ち・横持ちの両方を想定し、メッシュポケットを斜めに配置するなど、どちらの向きでも使いやすい設計が徹底されている。デバイス類や文具、さらにはIDカードなど、必要なものが直感的に取り出せる構造で使い勝手は抜群。また、下部ポケットには耐水性のTPU素材を採用。折りたたみ傘や水滴の付いたペットボトルも、安心して収納できる。

「バッグの収納なんてどれも大差ないだろ」と思ったら大間違い!
「バッグの収納なんてどれも大差ないだろ」と思ったら大間違い!

余計なものは削ぎ落とす。ミニマルデザインが放つ静かな存在感

 洗練されたデザイン性も、このバッグの大きな特徴だ。マットな質感の外装、控えめに配置されたロゴ、樹脂製の引き手に至るまで、必要最小限の要素で最大限の効果を生み出している。115周年記念モデルでは、ブランドを象徴するブルーをトリミングにさりげなく採用し、リミテッドタグにはブルーとシルバーのイタリアンレザーで115周年記念ロゴを刻印。イタリアンレザーを用いたハンドルカバーには、裏側にマイクロスエードを配し、触れるたびに感じる上質な質感を堪能できる。さらにモノグラミングサービスにも対応しているというから嬉しいではないか。

LIMITED EDITIONでは、レザー製のハンドルカバーとリミテッドタグが付属。引き手もブルーにカスタマイズされている。
LIMITED EDITIONでは、レザー製のハンドルカバーとリミテッドタグが付属。引き手もブルーにカスタマイズされている。

4万9千円の投資で手に入る、至高の使い心地

 本体価格49,500円という設定は、決して手頃とはいえないかもしれない。しかし、その価値は十分に説明できる。約800グラムという軽さ、シーンを選ばない2way機能、実用的な撥水性能、そして洗練されたデザイン。これらすべてが、115年の歴史に裏打ちされた技術と、現代のニーズを見据えた革新性の結晶なのだ。

豊富なラインナップを揃えるサブリムシリーズの製品は、いずれもブラックとネイビーの2色展開。左から時計回りに、「トートバッグ」38,500円、「2Wayバッグ M」42,900円、「クロスボディ M」27,500円、「クロスボディ S」23,100円、「2Wayバッグ L」45,100円、「2Wayバッグ S」40,700円
豊富なラインナップを揃えるサブリムシリーズの製品は、いずれもブラックとネイビーの2色展開。左から時計回りに、「トートバッグ」38,500円、「2Wayバッグ M」42,900円、「クロスボディ M」27,500円、「クロスボディ S」23,100円、「2Wayバッグ L」45,100円、「2Wayバッグ S」40,700円
洗練と機能性を兼ね備えた2つの表情。時代が求める新しいスタンダードの形がここにある
洗練と機能性を兼ね備えた2つの表情。時代が求める新しいスタンダードの形がここにある

 百貨店やサムソナイト直営店、公式サイトで2025年3月から展開されるこの記念モデルは、変化し続ける現代のビジネスシーンに確かな答えを示している。重さではなく機能で、装飾ではなく本質で、その存在感を主張する新しいビジネスバッグの形。それは、これからの時代における「品格」の新しい定義となるだろう。

リミテッドモデルの発売を記念して、「SUB-LIM」の購入者には、ケーブルなどの周辺機器などが収納できるサムソナイトオリジナルの「テックオーガナイザーポーチ」を先着でプレゼント。
リミテッドモデルの発売を記念して、「SUB-LIM」の購入者には、ケーブルなどの周辺機器などが収納できるサムソナイトオリジナルの「テックオーガナイザーポーチ」を先着でプレゼント。

115周年限定モデル 特設サイト

サムソナイト
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