日本は株を持っている人が少なすぎる。今すぐ資本を分散して格差を是正すべき。そのために一人でも多くの人が株を持ち、資本主義に主体的に参加すべきだ――自身が提唱する「国民総株主」を体現するため、新サービス「カブアンド」を立ち上げた前澤友作さん。一方、発売されたばかりの『22世紀の資本主義 やがてお金は絶滅する』(文春新書)で心も体もデータ化され資本主義が煮詰まったこの先に、「お金が必要なくなる」未来を構想した成田悠輔さん。資本主義とは何か? お金のない世界を実現する方法とは? を語り合った。NewsPicksで実現したふたりの対談を前後篇でお届けする。#2
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株はなぜこれほど人を惹きつけるのか
成田 資産にもいろいろありますが、株って変わり者ですよね。金であればここに物体がある。不動産であればそこに土地なり建物なりがある。でも株というのは見て触れる実体が何もない。蒸発してしまうかもしれない未来への権利ですよね。何のブツもなしに夢語りで丸め込んでくる詐欺師みたいなもの(笑)。それがこれほど強い磁場を持って人を惹きつけてやまないのはなぜなのか? 株のプロ中のプロである前澤さんはどう思われますか?
前澤 株はコモディティ(商品)と違って参加型の資本ですよね。実際に持ってみることで自分で大きくできる可能性がある資産だと思うんですよね。今回我々が推奨しているのは「カブアンド」の株をみなさんに持っていただいて、みんなで一緒に経済圏を大きくしてみようということです。一方で金とか土地は自分の力でどうこうできるものでもない。そこが大きく違うところですね。
成田 別の言い方をすると、同じ資産をみんなで共有できる。
前澤 シェアホルダーという名前の通り、株は会社のシェアですから。