“美談のような記事”に、久保が思わぬ反応を見せた

 そんな久保の成長を伝えたのが、冒頭の記事だった。サッカー情報サイト「フットボールゾーン」に掲載されたものである。

「昨年10月に行われた最終予選のサウジアラビア戦で、久保は練習中に覇気がなく、試合への出場も数分間にとどまった。その試合後に森保一監督から『日本のために戦えるか』『戦えないなら帰るか』と叱られ、思わず久保が涙を流した――という内容です。この叱咤で、久保が日の丸を背負うことの意味を改めて考え、今のチームプレーに繋がったことが読み取れる良い記事でした」(同前)

森保監督はW杯優勝宣言

 一見、美談のようにも思えるが……。この記事に、久保が思わぬ反応を見せたというのだ。スポーツ紙記者が明かす。

ADVERTISEMENT

「記事公開の翌日、3月22日の囲み取材で、久保が『内部の話が表に出て悲しかった』と抗議したのです。監督に怒られて泣いたというのが恥ずかしかったのかもしれません。久保は10代の頃にも周囲のガードが固く、取材が難しかったことがある。囲みに参加していた記者たちは、再びガードが固くなるのではと冷や汗ものでした」

 エースは涙に別れを告げ、来年6月からの本戦に臨む。