国内最大の指定暴力団「六代目山口組」の分裂抗争が新たな展開を迎えた。8日、直系団体「平井一家」本部(愛知県豊橋市)に組幹部が勢揃いし、「抗争終結」が宣言されたというのだ。

「六代目側は神戸山口組やそこから派生した池田組、絆會などの暴力団と抗争を続けてきましたが、六代目側ナンバー2である髙山清司若頭が『前を向かなければ』などといって抗争の一方的終結を宣言したといいます」(全国紙社会部記者)

六代目山口組の司忍組長

 六代目側から大量離脱した直系組長らが神戸山口組を結成し、山口組を名乗る2つの組ができたのが2015年8月。分裂抗争から間もなく10年を迎える中での急展開だった。

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「前日の7日には六代目側最高幹部らが兵庫県警を訪れて『抗争は終結させる』とする誓約書を提出しています」(同前)

「残すは神戸側のトップの井上邦雄組長の引退のみなのに…」

 警察庁によれば、分裂当初は六代目山口組の組員が6000人、神戸山口組がその半分弱の2800人だったが、神戸側は衰退の一途を辿り、昨年末時点では六代目側が3300人の一方で神戸側はわずか120人に減少していた。

神戸山口組の井上邦雄組長

 六代目側は神戸側についた幹部等を狙い撃ちにしてきた。19年秋には兵庫県尼崎市内の路上で六代目側の元組員がM16自動小銃で神戸側の古川恵一幹部を蜂の巣にして殺害している。

「神戸側は反撃らしい反撃をしておらず、どんどん人が抜けていった。主な幹部は引退するか、六代目側の組織に吸収されている。残すは神戸側のトップの井上邦雄組長の引退のみなのに井上組長が頑として譲らず、今に至っている」(警察関係者)