「乾燥注意報」を無視していた
自身の不注意から火災の予兆を指摘されたにも関わらず、その直後に山火事を招いたのだ。
「当時、県内には継続して乾燥注意報が出されており、消防や警察は火の取り扱いに注意するよう呼び掛けていた。本人は調べに対して『乾燥注意報が出ているのは知っていた』と話したそうですが、あまりにも軽率すぎます」(同前)
消防署内で“口止め工作”
強風と乾燥を物ともせず、焚火を敢行した消防士。厳しい処分は避けられないが、消防署内では事を荒立てないための工作が行われたという。
「山火事について作成した報告書類には当初“チャーシュー事件”の内容が含まれていたそうですが、幹部らは『それを書いたら不利になるから。彼を助ける方向でいこう』と庇った。その後も『本件は口外しないように』などと“口止め工作”を続けている」(同前)
当の本人は何を思うか。メールなどで取材を申し入れたが応答はなし。一方、東京消防庁からは次のような趣旨の回答があった。
「職員から(出火原因について)報告があったのは事実。火災原因調査および捜査の結果を踏まえて適切に対処してまいります。(チャーシュー事件は)現在まで確認できていませんが、出火防止を目的とした指導が行われていたことは事実です。口止め工作等の事実はありません」
本人の代わりに地元住人に謝罪したという父親はこう語る。
「私も本人に会えておらず、新聞に載っていることしか分からないのです。地元には申し訳ないので、少なくとも我々だけでも謝りに行こうと思って……。警察からは捜査に時間がかかると言われていますが、何があったか知りたい気持ちは我々も同じです」
消防士が自らの口で説明する日は来るのだろうか。
