都心から120キロ南の太平洋上に浮かぶ伊豆諸島最大の島・伊豆大島。島の中心街から10分ほど車を走らせると玄武岩の黒砂からなる弓状に伸びた海岸線が多くの観光客を虜にする「砂の浜」が見えてくる。そんな太古から続く幻想的なビーチで人の骨が発見されたのは昨年10月のことだった。
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社会部記者が解説する。
「死体損壊と死体遺棄の容疑で逮捕されたのは柳瀬宗達容疑者(45)。容疑を認めており、『遺体を焼いてのこぎりで切断。袋に入れて海に捨てた』と供述している」
DNA鑑定の結果、見つかった骨は高瀬静香さん(享年37)のものと判明した。
「高瀬さんは柳瀬と交際関係にあった。死亡の経緯について柳瀬は『自宅にいたが気がついたら自殺していた』と話している。『遺体が見つかれば島に住めなくなる』とも語っており、高瀬さんのスマホと荷物は捨てて、証拠隠滅を図ったと見られる」(同前)
本州で就職し、向こうの女性と結婚
柳瀬の近隣住民が話す。
「柳瀬さんの家は代々続く畳屋で、宗達は3代目。小学生の頃、三原山が噴火して島民が全員避難になったとき『怖いよ、怖いよ』と泣きながら抱きついてきた。明るくて心優しい子だった」
中学では野球部に所属。島内の高校に進学した。
「卒業後は親御さんから店を継ぐために『くに(※本州のこと)で修業してこい』と言われ、就職。向こうの女性と結婚して娘さんと息子さんがいます。約10年前に店を継ぐために島に戻ってきたが奥さんは来なかった。埼玉にある家のローンは宗達が払っており、子どもたちはたまに島に遊びに来ていました」(同前)
埼玉の近隣住民が話す。
「たしかにご主人の姿は見たことはないが、東日本大震災のとき、被災地に支援に行ったと聞いた。出稼ぎで家を空けているものだと思っていました」