響子さんは「花が生きることができたはずの社会」を目指し「2つの闘い」を続けてきた。
1つが誹謗中傷との闘い。花さんの自死をきっかけに侮辱罪を厳罰化する改正刑法が成立。響子さんはNPO団体「Remember HANA」を立ち上げ、SNS上の誹謗中傷を減らす活動を行っている。
もう1つが、フジテレビの責任を明らかにする闘いだ。闘いを決意した理由にはフジの度重なる不誠実な対応があった。フジは花さんの死後、第三者委員会など外部に調査を委ねず、社内調査による検証報告書を20年7月31日に発表。花さんの証拠LINEを検証した形跡はなく、やらせを否定。小誌に実名告発した共演者にヒアリングすら行っていないお手盛りの検証だった。
21年3月にはBPO(放送倫理・番組向上機構)の放送人権委員会が「出演者の精神的な健康状態に対する配慮に欠けていた点で、放送倫理上の問題があった」とする決定を公表した。
BPOが問題視したのも、花さんが最初に自殺未遂した後のフジの対応だ。花さんはリストカットした直後、血まみれの写真をインスタグラムにアップ。だが、フジの制作責任者が、花さんの自傷行為を把握するまでに4日を要していた。さらに問題なのは、地上波放送までの間、この責任者が花さんに連絡することも対策を講じることもなかったことだ。中居正広のトラブルを港浩一社長(当時)が把握していたにも関わらず『だれかtoなかい』を約1年半も延命させ続けた問題と重なる。