「母さんはすぐ迎えに来ますからね」
そう言い残して、嵩を置いていく母・登美子。
演じる松嶋菜々子もまた、「ちょっと行ってきます」と、ひとり家を飛び出して――。
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“鬼母”ぶりを物語る名シーン
序盤の物語を大いにかき乱す登美子の存在感はひときわ大きい。
「夫を亡くして義兄の家に身を寄せ、『高知の街に用ができた』と、再婚のために姿を消す。派手な着物に身を包み、奔放に生きる登美子を松嶋が色気たっぷりに好演。登美子が何かするたびに、ネット上では批判と擁護の論争が起こっています」(スポーツ紙記者)
会いに来た嵩のことを再婚相手の手前「親戚の子」扱いし、「早く帰りなさい」と玄関先で追い返した場面は、“鬼母”ぶりを物語る名シーンとなった。
戸田菜穂との、実際の2人の関係は?
「松嶋さん自身も、このシーンを演じるにあたって戸惑い、監督と話し合ったそうです。実際のやなせたかしさんのお母さんも、同じように息子を置いて出て行った。松嶋さんは、登美子は夫を亡くした心の穴を埋められなくて、自分への愛情を求めて、そういう行動に出たと解釈したそうです」(ドラマ関係者)
奔放な登美子と対照的に、良妻賢母タイプの義姉を演じる戸田菜穂とのバチバチの関係も話題に。実際の2人の関係は?
「1997年の『こんな恋のはなし』(フジ)で共演しています。このときのキャスト陣はとても仲が良かったそうで、現場でも『めちゃくちゃ久しぶりね』と旧交を温めていました」(同前)
幼少期の嵩を演じた木村
登美子に振り回される幼少期の嵩を演じた木村優来は、大人びた悲しみをたたえる表情が印象的だった。
「『とても落ち着いていて、言葉遣いも丁寧なの』と松嶋さんも驚いていました。そんな木村くんがロケ先で虫を見つけてはしゃぐのを見かけて『やっぱり子供なんだ。かわいい』と話していました」(同前)
松嶋のマイブーム
子供を残しフラッと姿を消す母親は恐怖だが、実は松嶋も――。
「いま、一人旅がマイブームなんだそうです。思い立ったら自分でホテルを予約して、レンタカーを借りて、運転でもなんでも自分でやってしまう。誰にも気兼ねせず、気ままに旅行するのが一番楽しいのだそう。少し前には、松嶋さんの両親の出身地の東北を一人で回ったりしたそうです。騒ぎになったら大変だと心配したのですが、本人は『意外とバレないものよ』とサラッと話していました」(松嶋の知人)