ファンの方たちが『ラブラブですね』

 4月20日にアップされたその動画は、瞬く間にファンの間で話題になった。あるイベントの打ち上げの席上で撮られたその動画は、岡崎がひし美の腰に手を回し、仲睦まじい様子でカラオケに興じているものだった。

「全然そんなつもりなかったんだけど、それを見てファンの方たちが『ラブラブですね』とか言ってくるわけ。徹ちゃんに無許可で動画をあげちゃったから、一応礼儀として伝えておかなきゃと思ってスマホで電話をしたんです」(同前)

岡崎は、励ましの言葉をかける

 ひし美からの電話があったのは、4月21日の午後9時頃。旅先で缶ビールを飲んでいた岡崎は、二つ返事で動画公開の件を了承し、こう続けた。

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「それより最近はどうしてるの。元気してるの?」

 返ってきた言葉は意外なものだったという。

「うん、元気ない……」

 ひし美が明かす。

「実は、一昨年の9月に大親友を亡くしてしまって、それ以来ふさぎ込んでしまっていたんです」

 電話口のひし美の気落ちを感じとった岡崎は、励ましの言葉を繰り返した。

「ダメだよ。きみらしくないよ。元気ださなきゃ」

岡崎徹氏との仲睦まじいデュエット姿を披露したことも 本人SNSより

「なんて優しい人なんだろう」

 互いの近況を報告し合ううち、岡崎は芦北町への移住計画を打ち明けた。芦北町には岡崎の二十数年来の友人で、漫画「新 仮面ライダーSPIRITS」で作画を担当している村枝賢一氏(57)が住んでおり、以前から移住を誘われていたのだ。岡崎が続ける。

「長年介護していた母が昨年99歳で亡くなってしまってね。村枝さんと一緒に町内の古民家を借りてギャラリーカフェを開く予定だったんです」

若き日の岡崎(東映HPより)

 話を聞いているひし美の心には、ある感情が芽生えていった。

「あ、この人かな」

 ひし美が言う。

「以心伝心じゃないけど、少し前から私も田舎で暮らしたいという思いが漠然とあったんです。それに、徹ちゃんからお母さまの介護の話を聞いているうちに、なんて優しい人なんだろうと思うようになって……」