ひし美のほうから岡崎にプロポーズ
運命的なものを感じながらの電話は、あっという間に2時間が過ぎ、その日は夜11時過ぎに電話を切ったという。
「翌日、また喋りたくなって電話をしたんだけど、出てくれないから『お電話ください』ってメールを送っちゃったりしてね。急に気持ちがソワソワし出したんです」(同前)
2度目の長電話をしたのは翌々日の4月23日のこと。ここから2人は一気に燃え上がっていく。
「話の流れで彼女が『私も芦北町にアパートを借りようかな』と言うので、『それなら家賃ももったいないし、一緒に住んだほうがいいんじゃない?』と、思わず言ってしまった」(岡崎)
すると――。
「やっぱり一緒に住むなら結婚しなきゃダメよ」
こう言って、ひし美のほうから岡崎にプロポーズしたというのだ。
だが、当初岡崎は曖昧な返事を繰り返していた。
「分かった。考えとくよ」
4日間のラブストーリー
岡崎が回想する。
「この歳で結婚なんて考えられなかったし、責任感が伴う結婚というものに自分は向いてないとも思っていた。でも、それと同時に女性にここまで言わせるなんて俺も情けない男だなと」
一方、ひし美の気持ちはどうだったのか。
「私もだんだんと意地になってきちゃって。ここで落とさないと、と思ってグイグイいっちゃいましたね」
結局、4月24日の3回目の長電話で岡崎は腹を決めるようにして、こう言ったという。
「分かった。20年以上お世話になっている漫画家の村枝さんに許可を取って、OKが出たら結婚しよう」
その村枝氏が言う。
「最初に聞いたときは驚きましたけど、そもそも僕の許可なんて必要ないわけです。『めちゃくちゃいいじゃないですか』とすぐに大賛成しましたよ」
ひし美が岡崎に電話をかけてからたった4日間。こうして2人は結婚に至ったのだった。