文春オンライン

きゃりーぱみゅぱみゅ“生みの親”が語る「女の子のことなんて、わからないままがいい」

アソビシステム・中川悠介代表インタビュー#1

今や世界のアイコンとなったきゃりーぱみゅぱみゅ。彼女の所属事務所でもある 「アソビシステム」が今年、創業10年を迎えた。代表を務める中川悠介さんに、世界が注目する“原宿の女の子、原宿カルチャー”の「この10年」をお聞きしました。(#2に続く)

アソビシステム・中川悠介代表

きゃりーの最初の印象は「真面目」

中川 「アソビシステム」って、どんなイメージがあります?

ADVERTISEMENT

――正直まず思うのは、きゃりーぱみゅぱみゅさんが所属している芸能事務所、ということでしょうか。かわいいモデルさんもたくさんいるみたいな。芸能事務所という言葉が適当かはわかりませんが。

中川 いわゆる芸能事務所としてのマネジメントの仕事も事業なんですが、最初は学生のファッションショーや、「美容師ナイト」というクラブイベントをプロデュースする仕事から始まった会社なんです。それが2007年のこと。最初はどこに電話しても「え? なんて会社名なんですか?」って、社名を何度も聞かれましたね。今でもまだまだですが、とにかく何やってる会社なのか、知名度もないし大変で。

――知られた大きなきっかけは、きゃりーさんの登場ですか?

中川 そうですね、常に山あり谷ありの冒険を10年やってきたと思っていますけど、彼女と出会ったことは大きなことでしたよね。

 

――どんな出会い方をしたんですか?

中川 彼女が17歳のときだから、2010年。僕らがやってるクラブイベントに面白い子が来るって聞いたんです。雑誌に小さく写ってるような読者モデルの子なんだけど、ブログやSNSで書いてることが飛んでて面白いと。それで会ってみたら、すごく真面目で。

――第一印象は真面目。

中川 今でもたまにいますよね、SNSは攻撃的で派手なんだけど、実際に会うと大人しくて真面目って子(笑)。「今っぽいな」って感じたんですよ。その真面目さは初対面の時に限らなくて、仕事をし始めてからもそうでした。時間は守るし、返信は早いし。

 

――この子は伸びるっていうのは、すでに感じていたんですか?

中川 いやもう、直感ですね。SNSではすでにインフルエンサーとしてのセンスも発揮していたので、とにかく「面白い子」という確信はありました。出会った時、彼女は高校を卒業して服飾の専門学校に行こうとしていたんです。そこを僕は引き止めて「1年やってダメだったら、学校に行かせるから」って。それでありがたいことに、本人も親御さんも納得してくれたんです。