大谷翔平の元通訳・水原一平に大金を賭けさせた胴元の米国人、マシュー・ボウヤー氏(50)。有罪判決で収監直前の彼が、「週刊文春」の取材申し込みに応じた。
大谷マネー26億円の使い道、そして水原との“最後の会話”とは——。(全2回の2回目/最初から読む)
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最大の資金源だった大谷マネー
水原経由の26億円にも上る大谷マネーは、ボウヤー氏最大の資金源だった。そこで買ったモノとは。
――お金を何に使った?
「俺は柔術スタジオもディーラーもしていて、元々稼ぎはあった。でもイッペイが顧客になってからは、生活がさらに派手になったな」
にやりとして振り返る。
「プライベートジェットに乗って、ラスベガス、バハマ、モンテカルロでカジノ三昧。ベントレーやランボルギーニ、ロールスロイスとか高級車も乗り回したよ。あの生活は、すごかった」
豪遊は長続きせず、23年10月に家宅捜索を受けた。
――直後に水原を脅した?
「捜索後の11月、友人が犬の散歩をする大谷を見かけた。俺は自分が見たことにして、(返済が滞っていた)イッペイに『大谷に声をかけようか?』と連絡した。すぐに返事が来て数日後に一部支払われた」
イッペイに最後まで聞けなかったこと
翌12月、水原とボウヤー氏らはスターバックスで集合。最後の対面だった。
――最後に何を話したのか。
「イッペイは口数が少なかった。俺が『どうしてる?』と聞くと『今キツくて』と言った。俺が店を去った後、仲間のマイクが『大谷の名前で日本酒を作ろう』とイッペイに相談し、彼は『無理だよ。どれだけの人が翔平とビジネスをしたがっていると思う?』と断ったそうだ」
そして、しみじみと言う。
「なんで大谷の口座なのか、結局1度もイッペイに突っ込んで聞けなかったな。人生って、答えを知りたくない時もあるだろ?」
24年3月、事件が報道され明るみに出た。


