普段から夫婦喧嘩をしないことも要注意

 近著「人生が圧倒的にラクになる! 夫婦ONE TEAM思考」(講談社)がAmazonの恋愛・結婚・離婚部門などで1位を記録した夫婦コンサルタントの山本久美子氏は、④普段から夫婦喧嘩がなく、相手から不満をぶつけられないことも要注意だと指摘する。

「夫婦間では楽しい話題だけではなく、お金のことや両親の介護など、難しい問題に直面することもある。ただ、私のもとに寄せられる妻側からの相談には『帰りが遅くて込み入ったことを話せない』『1度話したら雰囲気が悪くなったので、それから話せていない』という声が思いのほか多い。妻側のこうした悩みが膨らむと、『夫は家庭の問題について話し合ってくれない』という不満につながりかねません。お互いに避けているネガティブなテーマがあると気づいたら、夫の側から切り出してみるのも一手です」

山本氏

 ⑤不機嫌オーラが出ている妻を放置するのも危険だ。

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「妻が何か怒っていると気づいても、具体的な要因が分からないまま、数日が経つと通常モードに戻っていることはありませんか? 夫は『言いたいことがあるなら言ってくれよ』と思うかもしれませんが、実は妻自身もモヤモヤを言語化できないことが多いのです。だから“察して妻”となってしまう。妻の不機嫌オーラに気付いたら、落ち着いたタイミングで対話をしてほしい。子供が寝た後のちょっとした時間でも構いません。対話を通じてアウトプットすることで、妻も自身のモヤモヤの原因に気付き、答えが見つけられるようになります」(同前)

 妻がイライラした態度さえ見せなくなったら、もはや危険水域。前出の岡野氏が忠告する。

⑥妻が愚痴を言わなくなった時、それは夫婦関係に不満がないのではなくて、『この人には何を言っても無駄だ』と諦めている可能性がある。愚痴は妻の我慢のシグナルなので、その都度ちゃんと話を聞いて、不和の芽を摘まなければならない。妻が黙っていたら、もう限界を超えているかもしれません」

 添い遂げることを誓ったはずの夫婦は、なぜすれ違うのか。「妻のトリセツ」(講談社)がベストセラーとなった人工知能研究者の黒川伊保子氏の解説。