夫は「他人事」と思うなかれ
「脳の構造に性差はないのですが、違うのは脳の使い方。男性脳は『ゴール志向型』のため、1度定めた目標しか見えなくなりがちです。たとえば女性ならトイレで用を足そうと立ち上がった際、使用済みのコップや空き缶があればついでに片づけますが、男性はトイレだけに照準をあわせるので、それらが目に入らない。妻が何度『置きっぱなしにしないでね』と言っても効果はありません。これは妻に対する思いやりがないのではなく、男性ゆえの脳の特質なのです」
だが女性の脳も、ついでの片付けを自然に行うようプログラムされているわけではない。⑦妻が“置きっぱなし”“やりっぱなし”に気付かなくなることもある。それは、家庭への愛着が失われつつあることの現れだという。
「女性の脳の『ついでの気付き』は、愛着のあるものにしか働きません。家族や家に対する愛着を失うと、妻も何も気付かなくなる。だからこそ妻は、気付きのない夫に対し、本能的に『愛がない』と感じるのです」(同前)
総じて浮かび上がってくるのは、コミュニケーションを通じて、夫婦間のズレを減らす努力の大切さだ。
「男性陣は松井さんの離婚を他人事だと思っていることが多いように思いますが、それは無自覚のうちに家庭を軽視していることの裏返し。『この2人の離婚、どう思った?』という話題をきっかけに、夫婦で会話してみるのもよいでしょう。夫婦の形に正解はありませんが、確実に言えるのは、意思疎通ができない夫婦はうまくいかないということです」(五百田氏)
昨年、国内で離婚が成立した夫婦は約18万組。うち45%が結婚10年以上の夫婦だ。「7つの法則」をもとに、夫婦関係を見つめ直してみてはいかがだろう。
