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「オリンピックおじさん」森喜朗の“生き甲斐”に、どこまで付き合えばいいのか

かつてこの人は首相であった

2018/08/04
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転倒した浅田真央を「あの子、大事なときは必ず転ぶ」

 首相の頃の森は、えひめ丸事件などでの失態にくわえて、失言を重ねては不人気に拍車がかかっていった。週刊文春は当時、「森政権を痛罵したいのですが、あまりに愚かでタイトルさえ思いつきません」(2000.11.2号)とヤケッパチの見出しをつけ、終いには「あえて言おう。森喜朗よ続投したまえ。己と自民党のバカさ加減をとことん国民に教えてくれ。どうせ誰が総理でも変わらないことを国民は知っている。」(2001.3.8号)と見出しがどんどん長くなっていった。さしもの文春も森に耐えきれなくなったかのようであった。

©AFLO

 余計なことを言っては世のひとびとをイラつかせるのが森である。首相を辞めてからもちょくちょくそれを繰り返した。近年では2014年のソチ五輪で転倒した浅田真央について「あの子、大事なときは必ず転ぶ」と口走って顰蹙を買う。そうした事情を知ってか後日、外国人記者は浅田真央にこう質問している。

「森さんは、あと5年間会長を務めるわけですが、日本人はそれに耐えられると思いますか?」(注2)

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 いい質問である。そのとき浅田は「私は、今べつになんとも思っていないですけど」とかわしたが、ついには「暑さはチャンス」などと言い出した森に、世間はいつまで耐えられるのだろうか。

(注1)https://www.tbsradio.jp/ss954/2014/02/post-259.html
(注2)https://www.news-postseven.com/archives/20140301_243762.html

「オリンピックおじさん」森喜朗の“生き甲斐”に、どこまで付き合えばいいのか

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