2018年上半期、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。いいね!部門の第4位は、こちら!(初公開日:2018年4月30日)。
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2024年には国民の3人に1人が65歳以上になり、先進国でかつてない人口減少社会を迎えるニッポン。問題は「人口減少そのものより高齢者の割合が激増すること」、「日本の高齢者は成熟していない=子どもっぽいこと」にあると、思想家の内田樹さんは指摘する。編著者として、『人口減少社会の未来学』を刊行した内田さんに訊く、「人口減少社会」を考えるインタビュー第1弾。
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時限爆弾みたいな高齢者ビジネス
――人口減少にともなう社会の大きな変化は、まず何から始まるのでしょうか。
内田 人口減少より先に実感されるのは、むしろ社会の高齢化の方だと思います。僕が小学生だった頃、日本の人口は9000万人そこそこでした。日本の人口がその水準まで減るのは2050年頃ですから、まだだいぶ先です。でも、数は同じでも、僕が小学生の頃とは街の風景がまったく違うはずです。高齢者が3割を超える一方で、子どもの数は僕が子どもの頃の4分の1くらいまで減るからです。街に子どもの姿が見えず、老人ばかりになる。社会は活気がなくなると思いますけれど、それは人口減そのものの影響というよりは人口構成の不均衡がもたらすものです。
前に、あるカルチャーセンターに出講した時に、そこの人から「うちは遠くから通われる熱心なご高齢の方が多く、100歳を越えた方もいらっしゃいますよ」と言われたことがあります。「悪いけどそれ、ビジネスとしては先がないということですよ」と申し上げました。高齢者が総人口のボリュームゾーンになると、しばらくは高齢者をターゲットにしたビジネスが繁昌しますけれど、これは時限爆弾みたいなものです。タイムリミットがある。今の男性週刊誌は高齢者対象の媒体になっていて、「70歳からのセックス」を特集し、60年代のアイドルのヌードなんかで売ってますけれど、ある時点で読者層そのものが消失してしまう。







