暴行で精神疾患発症 原告主張
原告の山田さんは、被告・佐藤さんの一方的かつ執拗な暴行により重い外傷を負い、入院・手術・通院を余儀なくされたとした。
外傷に伴う後遺障害として眉間のしびれが残り、医師が「改善困難」と診断していることを根拠に、後遺障害等級は「12級13号」に当たると主張した。
さらに、暴行を受けた影響で不安障害やうつ病といった精神疾患も発症し、就労に相当の制限が生じたとして、後遺障害「9級10号」に相当するとの意見書を提出。
治療費、文書料、交通費、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、休業損害、将来の逸失利益などを合算し、約2405万円の支払いを求めた。
被告は「原告にも落ち度」主張
一方、被告の佐藤さんは、暴行に及んだ動機について、妻から「山田さんに抱きつかれ、キスを迫られた」などと助けを求める連絡を受け、危険が迫っていると誤信して駆けつけたと主張した。
したがって、原告・山田さん側にも落ち度があるとして過失相殺を求めた。
また、外傷による後遺障害は就労に影響しない軽微なものだとし、12級ではなく14級相当と反論。
精神疾患についても、通院開始が暴行から約9か月後であることや、診断書に「本人曰く」と、自己申告であるとの記載があること、通院していた時期に配達業務やスナックの手伝いなど、就労していた事などを指摘。暴行と精神疾患との因果関係を否定した。
「被告の強い嫉妬心で暴行」と認定
東京地裁はまず、暴行に至った経緯について、被告・佐藤さんの「原告にキスを迫られた妻から助けを求められた」との趣旨の説明を退けた。
佐藤さんの妻は、助けを求めた趣旨の陳述書を裁判所に提出しているが、その内容が暴行直後の佐藤夫妻の会話や、当時の警察官面前調書の記載内容などと整合しないと評価。
妻から返信がなかったため、「自分に言えない相手と飲んでいる」と強い嫉妬心を一方的に抱き、居場所を確認して店に向かい、暴行に及んだと認定した。