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「糖質制限で老化する」は本当か

衝撃の研究結果を徹底検証する

2018/08/24

動脈硬化が悪化した事例

「週刊新潮」の記事では、糖質制限を始めた3年2ヵ月後に脳梗塞を起こし、右半身が麻痺した60代男性のケースも紹介。心筋梗塞、脳梗塞などの予防に詳しい真島消化器クリニック(福岡県)院長の真島康雄医師が男性を診察すると、いつ再発してもおかしくないほど動脈硬化が悪化していたという。男性は炭水化物を摂取しない代わりに、トンカツなどの揚げ物をたくさん食べ、お酒も毎日飲んでいた。

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糖質の代わりに、脂肪を過剰に摂取

 真島医師が話す。

「糖質を控えると、その代わりに脂肪摂取が増える。それがよくないんです。私は3、4ヵ月に一度、患者さんの動脈8ヵ所をエコー(超音波)で測定していますが、糖質制限でやせたのに、プラーク(血管壁に脂肪の粒子が堆積したもの)が厚くなって動脈硬化が進み、いつ心筋梗塞や脳梗塞になってもおかしくない人を他に何人も見てきました。

 プラークが溜まる原因は脂肪です。動物性に限らず、魚でも植物性でも脂肪を摂り過ぎると、体内に摂り込めなかった余分な脂肪は6時間以上も血管の中をめぐります。血圧によって、指で擦り付けるような強い力で血管内皮細胞の隙間に押し込められるのですから、プラークが溜まるのも当然です。

 体重が減った、血糖値が下がったと喜んでいても、動脈硬化が進んで心筋梗塞や脳梗塞になり、早死にしてしまっては元も子もありません。糖質制限は脂肪を過剰に摂取しやすく、動脈硬化の進行に対するリスク管理の発想がありません。だから私は、糖質制限は危険な食事療法だと批判しているのです」

 さらに記事では、国立国際医療研究センター病院糖尿病内分泌代謝科医長(当時)の能登洋医師らが2013年に報告した研究も紹介。糖質制限食に関する多くの研究論文を集め、データを総合的に分析したところ、糖質摂取量の最も少ないグループの死亡率は、糖質摂取量の最も多いグループの1.31倍だった。