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巨人・阪神「監督解任事件」報知vs.デイリーの“遠慮なき戦い”を読み比べる

スポーツ紙「内幕ズケズケ」対決!

2018/10/19
note

 新聞は偏っているからこそ面白い。

 意外とこの“楽しさ”を知らない方が多いと思う。私がとくに理想的だと思うのが「スポーツ新聞と読者」の関係である。

相手陣営のことは遠慮なしに書く「スポーツ紙」の醍醐味

 スポーツ紙によってプロ野球チームの情報量が「堂々と」偏っているのだ。スポーツ報知は巨人、デイリースポーツは阪神。東京中日スポーツはもちろん中日だし、サンケイスポーツはヤクルトが多い。野球ファンは好きなチームの情報が多く載っている新聞をおもに読む。

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阪神・金本知憲監督 ©文藝春秋

 つまり、お客(読者)は最初から「偏っている」ことを承知で新聞を買うのだ。デイリースポーツに対して「阪神に偏りすぎだ」と怒る人はいないだろう。なので「新聞と読者」という関係ではスポーツ紙はとても健全だと思うのである。

 そして私はそのうえで、巨人ファンなら「デイリー」「東京中日」を、阪神ファンなら「報知」「東京中日」も読めばいいと提唱している。同様に中日ファンも。

 なぜなら「相手陣営」の新聞なので(遠慮しなくていいから)巨人や阪神の評価が率直に端的に書かれているのだ。ファンならむしろ相手陣営の新聞こそ必読なのではないか? これも情報の取り方の一つだと思う。

 たとえば先日発表された巨人・高橋由伸監督の「辞任」。当然だろうがスポーツ報知よりも他紙のほうが内幕をズケズケ書いていた。遠慮がいらないからである。