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キズナアイ炎上問題 「萌えキャラだらけ国家」台湾のユルさに学びたい

キズナアイ炎上問題 「萌えキャラだらけ国家」台湾のユルさに学びたい

2018/10/30
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【藍澤光(あいざわひかる)】

 2010年、Microsoft台湾が同社製品のMicrosoft Silverlightの公式擬人化キャラクターとして発表した美少女。台湾の同人系イラストレーターshiniaがデザインしたもので、その後に家族設定の他の美少女も出てきて日本でも話題となった。2014年にMicrosoft台湾側は起用を終了したが、現在もフェイスブック上にファン向けページが存在するなど根強い人気を誇る。

当時、Microsoft台湾の公式ページ上で活躍していた藍澤光。身重と体重は日本の初音ミクと同じなのだとか

【高捷少女(たかめ少女)】

 2014年、藍澤光に刺激を受けた台湾の国立屏東科技大学の同人サークルが、地元の高雄捷運公司(高雄市営地下鉄)にヴァーチャル乗務員美少女キャラ「高捷少女」を提案して採用される。複数の美少女キャラが発表された後、美男子キャラの「高捷少年」2人も発表された。

 高雄市では彼女らのラッピング地下鉄が走り、盛んなメディアミックスの結果その後1年で関連グッズの売上は400万NT$(約1400万円)を突破。2016年からはなんと日本に輸入され、ライトノベル『進め!たかめ少女 高雄ソライロデイズ。』(GA文庫)が出版されたほど。

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 また、高捷少女を制作した同人サークルのリーダーのサイモン氏は地元の屏東県とのコラボも進めており、地元の桜エビを擬人化した美少女キャラ「絢櫻」などが地元の観光業界とコラボして人気を集めている。

高捷少女ブームとラッピング車両の運行を報じる現地TV局『東森新聞』(2015年7月30日付け)のニュースより。地元のオタクは大歓喜だったとのこと
屏東県政府とコラボしている「絢櫻」について報じる台湾紙『中国時報』。ピンクのミニスカ和服少女は「キャラが日本っぽい」と、現地では好評なのだそうで……