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「下町ロケット」吉川晃司 「財前部長役のきっかけは無人島サバイバル企画だった」

吉川晃司(ロックミュージシャン、俳優)――クローズアップ

2018/11/11
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 間もなく、デビュー35周年を迎える吉川晃司さん。ミュージシャンとしてはもちろん、近年では俳優としての活躍も目覚ましく、TBSドラマ『下町ロケット』での好演も、その評価をより高めた。帝国重工という巨大企業の部長職にありながら、自らの信念と哲学を貫いていく「財前道生」役は、意外とも思えるキャスティングだったが……。

「どうして僕をキャスティングしたのか、TBSの伊與田(いよだ=英徳)プロデューサーに聞いたことがあるんですけど、前に僕が番組で、無人島でのサバイバル生活という企画をやったのを観てくれていて、『財前はこういう人に違いない』とひらめいたらしい(笑)。不思議なものですね」

 会社の方針に逆らったことで、さまざまな苦難に直面する財前だが、やがてその熱意が、藤間社長(杉良太郎)をも動かしていく。

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日曜劇場『下町ロケット』(毎週日曜日21:00〜TBS系列で全国放送中)

「同年代で、企業に勤めている友人たちからは『現実の世界では、財前みたいな人間はすぐクビになる』と言われました(笑)。でも原作の池井戸(潤)さんもそれを分かったうえで書いているんでしょうね。だから勧善懲悪の痛快さがある。観ている人も、あくどいことをやっている輩が報いを受けるとスッキリすると思うんです」