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鉄道ファン垂涎! 『短絡線』で貨物列車に乗ってみた

2018/12/10

 最近、貨物列車を見かけない。

 昔は駅のホームで電車を待っていると、「こんどの電車はとなりの駅を出ました」と書かれた表示器が点灯し、やっと来たかとベンチから立ち上がると、貨物列車がやって来て大いにがっかりするという経験が珍しくなかった。

 あの貨物列車たちは、いったいどこに行ってしまったのか――。

隅田川駅内のコンテナ

ちゃんとした取材をするなら……

 そこで、日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)に訊ねると、

「時間と場所を選べば、ちゃんと走っているところを見られます」

 との回答。

「それは見たい! ぜひ取材をさせてほしい! できることなら乗せてほしい!」

 と、鉄道好きとしてどさくさに紛れて大胆なお願いをしてみると、

「ちゃんとした取材をするなら、乗せることもやぶさかでない」

 という返答。

 これはもう、ちゃんとした取材をせねばなるまい。

隅田川駅

貨物列車からしか見ることのできない景色

 モータリゼーションの進展でトラックに物流の主役の座を奪われ、民営化の際には「安楽死論」まで囁かれた鉄道貨物。しかし、トラックドライバーの減少や「エコ」の面での優位性などが見直され、近年はその存在意義が高まりつつある。

 そうしたことを検証すべく、現場で働く鉄道マンたちの話を聞かせてもらえることになった。そして、取材の一環として、貨物列車にも乗せてもらえることになったのだ。

 2018年11月12日の月曜日。15時10分に常磐線土浦駅を発車し、16時15分に隅田川駅に到着する貨物2092列車に乗り込み、貨物列車からしか見ることのできない景色、貨物列車にしかない感覚を体験することになった。