1ページ目から読む
2/4ページ目

――演奏していたのはずっとソウルとリズム・アンド・ブルースでしたか?

串田 そうですね。ただ、お客さんに受けないといけないから、新しい曲やみんなが知っている曲をやらなきゃいけなかったんです。リクエストも多かったですよ。ビートルズも歌いましたけど、あまり演らなかったですね。アニマルズの『朝日のあたる家』は好きで印象に残っています。新しいバンドを作ったり、移ったりして、のべ70名ぐらいとバンドをやっていたような気がします(笑)。

 

「明日、ステージに出られないか?」

――その中で印象に残っている出来事などはありますか?

ADVERTISEMENT

串田 デビューして、『キン肉マン』(83年)も歌うようになった後、またリズム・アンド・ブルースのバンドを作って、クラブやディスコなどで演奏していたんです。するとあるとき、六本木の瀬里奈の近くにあった「ZIP」というディスコで演奏していたら、テンプテーションズのメンバーが遊びに来たんですよ。当時はスティングやクール&ザ・ギャングも遊びに来るような有名な店だったんです。

 ステージを終えて降りていったらテンプテーションズのメンバーが近づいてきて、「明日、ステージに出られないか?」と言われたんですよ。「えっ、明日もここの店があるんです」と一応お断りしたんですけど、それを店の社長に言ったら、「店、閉めちゃって、みんなで応援に行こう」って(笑)。

 

テンプテーションズのライブに出演!

――ええっ。それでテンプテーションズのライブに出演されたのですか?

串田 はい。新宿の厚生年金会館で歌ったんですよ。前座ではなくて、共演だったんです。オープニングはバブルガム・ブラザーズでした。彼らも「夢がかなった」と話していましたね。でも、大変でしたよ。ものすごく緊張しましたし、お客さんにも「なんだこいつ?」って目で見られるわけですから。それでも、歌い出したら、「ウォーッ」と盛り上がった。ただ、イントロがあんなに長く感じたことはありませんでしたね(笑)。

 その後も何回か呼び出されて、一緒にステージに立ちました。近くの別のステージをやっていて「そっちの休憩時間に来てやってくれ」ってのもありました(笑)。