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30年前のあの日から……広島カープの18を背負った男・佐々岡真司とともに進もう

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/06/19

「18」という数字に大きな縁がある男

 初登板から18年後の2008年、佐々岡が引退した翌年。自分は沖縄キャンプを見に行っていました。背番号と同じ年数で引退した佐々岡、その背番号を受け継いだのは前田健太。未来のエースの生のボールを見たかった自分はブルペンの最前列で待機。しばらくして、まだまだ身体の線が細いマエケンが姿を現し、投球を開始しました。

 マエケンの後ろには当時の監督だったブラウンと一軍ベンチ兼打撃コーチのリブジー、そしてブルペン捕手の後ろや自分の周囲にはマスコミ。自分はひたすらマエケンの投球に集中していたのですが、ほどなくしてブルペン捕手やコーチ陣が「おお! なんでこんなに球が若いんじゃ!」「18番。今年は調子がエエのう!」。昔の話なので正確には覚えていませんが、そんな言葉を発し始めたのです。

 どういうことかと見渡すと、ブルペン捕手の後ろからマエケンの投球を見る佐々岡の姿が。そう、佐々岡が見に来たということで、周囲が「マエケンを褒めつつ佐々岡をイジる」という手段に出たのです。その後も「去年まではおじさんの球じゃったのに今年は大違い。なにがあったんじゃ!」。佐々岡とマエケンではなく、まるで同じ選手が覚醒したかのような声が飛び交い、選手たち、見ているファンたちの笑いを誘っていました。

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 そして、今年。ついに今年です。背番号18が18年の現役生活を終えて次のエースに託し、今度はその次のエースとして期待される新たな背番号18、森下暢仁のルーキーイヤーとルーキー監督イヤーが重複。プロ入りから今シーズンに至るまで「18」という数字に大きな縁がある男の真新しい船に選手と我々は乗りました。待ちに待った大海原への航海を開始しました。開幕ダッシュ、鯉の季節、首位独走。ルーキー時代から「自身に求められた立場で柔軟に戦う術」を身につけていた男が、その能力を改めて発揮する時が来たのです。楽しみです。ワクワクです。全世界におられるカープファンの皆さま。佐々岡号という心の船に乗り、来たるべき「観戦」を夢見て、僕らのカープを応援しようでは……ありませんか〜〜〜〜〜!(応援団風に)

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