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“レベチ”の今季を見て思う、ファイターズ・中田翔を決めつけてはいけない

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/08/22
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「レベチ」だった今年の中田翔

 そして、もうひとつ大事なこと。今年の中田は「レベチ」ですね。

 春季キャンプから中田は自身の充実ぶりを「レベルが違う、略してレベチ」と表現してきました。試合数こそ少なかったとはいえ、オープン戦でも打率.344、3本塁打と結果を残し「レベチ」の片鱗を見せてくれました。

 その言い方がキャッチーだったんでしょう。スポーツ紙も見出しに「レベチ」を使った。そうしたら遅い開幕の後も中田は「レベチ」だったんです。本当にレベルが違った。文字通り、チームをけん引する働きでした。

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 8月12日、ロッテ戦での2本塁打、6打点の活躍で両部門でリーグトップに躍り出てからも好調は止まりません。レベチとどまることを知らず。それで、またしても僕のなかで何かが変わり始めました。

 中田はチームに貢献出来る打点を重視したいと常日頃から公言しています。実際に過去には打点王を2度獲得、ファイターズの頼れる4番打者として君臨してきました。広い札幌ドームというハンデもあります(今季すでにフェンス直撃の惜しい長打が数本ありました)。

 だから僕もこんな風に固定観念にとらわれていたかもしれません。本塁打より打点、中田はそういう選手。本塁打王は厳しいから打点のタイトルを狙ったほうがいい。

 これを謝りたいんです。

 思えば、栗山監督は「翔は三冠王狙える、そんな選手になれる」そう仰ってきました。反省します。「レベチ」の中田翔を前にして、レベルをこっちが狭めていた浅はかさ……。僕は中田選手を勝手にこうだと決めつけることをやめますね。

 優勝と三冠王を狙いましょう! 打率は近藤健介にも狙わせたいから2人で山分けでもいい。野球は見るたびに新しい感動を運んできます。「プロ」の真ん中、中田翔!! 彼の飛躍を頼もしく見つめる古本屋ビーバーズブックス、ビーバー池田でした。

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