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ロッテのアスレチックトレーナーが“14604キロの遠距離恋愛”を成就するまで

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/10/25
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この仕事に目をつけたきっかけは選手名鑑

 そんな櫻井氏の仕事は一軍のアスレチックトレーナー。選手たちの怪我の予防と体の強化。怪我をしない体作りとパフォーマンス向上のために日々、選手たちに目を光らせる。この仕事に目をつけたのは茨城県の公立校の高校球児だった高校時代(ちなみに外野手)。なんとか野球の仕事に携わりたいと選手名鑑を見ている時にプロ野球選手を支えるコンディショニング部門のスタッフたちの存在を知った。肩書きを見てみるとアメリカの大学出身者も多かったことから、語学堪能ではなかったが単身、渡米。トレーナー学を学んだ。

「語学学校に通って、その後に大学でアスレチックトレーナー学を学びました。こういう仕事に就きたいという若い人には今はなかなか状況的には厳しいけど、落ち着いたらぜひ世界に飛び出して欲しい。日本だけで勉強するよりも学びは多い」と櫻井氏。そんな様々な経験と見識のある櫻井氏を令和の怪物の異名を持つルーキー・佐々木朗希投手も慕う。櫻井氏もまた「彼は凄いクレバー。18歳であそこまで自分の身体と向き合って細かい感覚を持ち合わせている選手はなかなかいない」と絶賛する。

 ペナントレースは佳境に突入した。異例の6月19日開幕でスタートしたプロ野球はまもなくレギュラーシーズンが終わろうとしている。そんなプロ野球チームは選手と選手を陰で支える裏方スタッフで構成されている。そしてマリーンズの裏方スタッフは選手たちに負けじと個性派ぞろいで、様々な経歴と経験を重ねたメンバーばかりだ。14604キロの遠距離恋愛を結実させたアスレチックトレーナーはもちろん、スタッフ全員が人間ドラマに溢れ、魅力たっぷり。選手たちをバックアップしてくれている彼らの存在は頼もしい限りである。彼らは今日も選手たちをバックアップしている。

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梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)

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