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なぜソフトバンクはロッテに弱いのか? 柴原洋さんに聞いてみた

文春野球コラム ペナントレース2020

note

「選手が勝手にビビっちゃう部分もあるんじゃないかな」

「もちろんデータをしっかり集めているというのはあると思うけど。ホークスがロッテを意識し過ぎなんじゃないかなぁ。ただ、鳥越さんがロッテ選手に、特にホークスには勝たないかん!と言っていると思う。だからロッテの選手もホークス戦は特に気合入ってるのかも。だけど、ホークス選手の方がロッテには監督、コーチとホークスの事を良く知る人が多いから攻め方を読まれてるんじゃないかと意識し過ぎて、ピッチャーも厳しいコースばかり狙い過ぎている。ロッテの選手は粘れるバッターが多いから、厳しいところは粘って、ボール球を見極める事によって、ホークスの四死球が多くなっている。そこでチャンスを作って甘く入った球を打たれて得点されている」

 なるほど。ロッテがホークスの事を知り尽くしているというよりも、ホークス選手がロッテに知り尽くされてるのではないかと勝手に意識し過ぎているという事なのかぁ。

「今シーズンは相手チームとの会話は難しいと思うけども、去年まではホークス選手が鳥越コーチに挨拶に行ってた。その時に鳥越コーチとホークス選手の他愛もない会話の中で実はプレッシャーになるような言葉をかけてたりすると思うんだよね。それでホークス選手が勝手にビビっちゃう部分もあるんじゃないかな。さらに今シーズンの開幕3連戦のロッテ戦も1勝2敗と負け越してしまったから、今年もロッテは脅威になるというイメージが植え付けられた部分もあると思う」

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 元々ホークスのコーチで直接指導を受けた事もあるが故に、鳥越コーチの厳しさも身に染みて知っている。ただただ話しただけでも勝手に見えないプレッシャーを感じて意識し過ぎてしまうと言う流れが出来ている。鳥越コーチ恐るべし。それをまとめる全体が見れるリーダー井口監督。

 この2人のタッグは底知れない。

 パ・リーグ2位争いも過熱してきたが、恐らくこのままいけばクライマックスシリーズはロッテが2位になり対戦相手になる可能性が高い。そして、来年以降もロッテは脅威になるだろう。

――このロッテに勝ち越すには?

「ピッチャーがビビらず攻める事。上手くやろうとすると粘られて、四死球が多くなる。上手くやろうとせずに攻めれる所は攻める事。ホークスには力があって球が強いピッチャーが多いから力で押していけば抑えられると思う」

――そして、ズバリ! クライマックスシリーズのキーマンは?

「クライマックスシリーズ1戦目の先発ピッチャー! 力で押せるピッチャーが投げると思うから、力で押さえて1勝できれば王手だから(今シーズンは3勝したチームがクライマックスシリーズ優勝。ホークスはリーグ1位なのでアドバンテージの1勝がついている)。逆に負けたらロッテへの苦手意識が再び出てくる可能性があるから怖い。初戦がかなり大事」

 クライマックスシリーズで初戦を勝ちさえすればクライマックスシリーズ優勝にぐっと近づくはずだ。そして勢いそのまま4年連続日本一が見れる事だろう。

――では、最後に仲良しの井口監督は柴原さんにとってどんな人ですか?

「井口は目標! 大学の時から井口という存在がいるから努力出来たし、今も井口の頑張ってる姿を見て井口に負けないようにもっと頑張らないと、と思わせてくれる」

 2020年ホークスの4年連続日本一。そして、近い将来、井口さんと柴原さんが同じユニフォームを来て、仲良しコンビの采配が見られるのが今から楽しみである。

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