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“絶対に笑ってはいけない”ガースー内閣 「全集中の呼吸」で繰り出すフリとオチの結末

「こうしつおんかガス」に潜む危険性

2020/11/10
note

 ここにきて任命を拒否した理由についても書かれ始めた。先週土曜の毎日新聞・伊藤智永記者のコラム。

《今度の日本学術会議人事は、菅義偉首相が認めなくても、公安関係者によれば、安倍政権の特定秘密保護法・安全保障関連法・共謀罪法に反対した学者を見せしめに排斥する狙いが濃厚という。》(11月7日)

©文藝春秋

削除された共同通信の記事

 すると、翌日の日曜に共同通信がこの記事を。

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官邸、反政府運動を懸念し6人の任命拒否』(11月8日)

《首相官邸が日本学術会議の任命拒否問題で、会員候補6人が安全保障政策などを巡る政府方針への反対運動を先導する事態を懸念し、任命を見送る判断をしていたことが7日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。》

 ギョッとした。

「政府方針への反対運動を先導する事態を懸念」したと「複数の政府関係者が明らかにした」というのだ。

 この記事はそのあと削除された。何があったのか。いろいろギョッとする。

 こうなると菅政権のもうひとつの顔が見えてくる。安倍政権から続いて事務方トップの官房副長官を務める杉田和博氏だ。警察庁出身で警備・公安畑を歩んだ。

杉田和博官房副長官 ©JMPA

 先ほどの伊藤智永氏のコラムには、

《事は学問の自由といった崇高な理念より露骨な、国家の軍事政策に協力的かで線引きする際どい思想統制事件である。》

 と書かれている。

 思想統制事件! こうなると杉田官房副長官の話を聞かなくてはいけない。

 杉田氏の国会招致に関して政府・与党は「前例がほとんどない」と拒否している。しかし菅首相は「あしき前例主義 打破」を掲げていたではないか。

 菅さん、ここでもフリが素晴らしい。しっかり「回収」してください。

“絶対に笑ってはいけない”ガースー内閣 「全集中の呼吸」で繰り出すフリとオチの結末

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