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井端弘和、比嘉賢伸、直江大輔…私がもっとも縁遠かった「巨人」にハマった理由

文春野球コラム ペナントレース2021

2021/09/02
note

夢破れた育成選手への感謝

 そして、巨人のコラムを書かせていただくにあたって絶対触れたかったのが比嘉賢伸選手だ。2016-2017年の甲子園、盛岡大附属高校の一員として出場。遊撃手でキャプテンを務め、度重なる逆転勝利を見せてくれた。その躍動が忘れられずにプロ入り後も陰ながら応援していた。私にとっては比嘉選手こそが、最もあの鮮やかなオレンジ色をグッと身近に引き寄せてくれた存在かもしれない。2017年に育成ドラフト1位で入団。奮闘しながらも、層が厚い巨人軍の中で2020年に戦力外通告を受け、退団となった。だが、この世に巨人・比嘉選手にたくさんの夢をいただき感謝している歌手がいる、ということを改めて記録に残しておきたい。

 そして、比嘉選手を追う中で知ったのが、直江大輔投手。当時は三軍戦で投げていた。マウンド捌きの清涼感と、「気合入りすぎて暑さも感じませんでした」というド根性コメントとのギャップに惹かれた。一度育成契約期間を設けたり、時に抑えを経験させたり、満を持して先発起用する際にも無理に投げさせすぎなかったり、首脳陣からの強い愛を感じる(河野調べ)。今や一軍のローテ候補として、ひときわ繊細に育てられている印象だ。

 最近は、直江投手が立ち上がりに苦しんだ試合で淡々とリリーフをすることの多い、大江竜聖投手まで好きになってきた。直近だと8/25(水)広島戦、2回途中3失点でマウンドを降りた直江投手の後、大江投手が2.2回しっかり無失点に抑えて勝利に繋いだ。プロ初勝利に手を伸ばしつづける弟と、ピンチに駆けつけるお兄ちゃん、という感じに映る。でも調べたら年齢はほとんど変わらないのか……素晴らしい世代。

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最後に

 いちファンだから「球界の発展に」なんて大層なことは思っちゃいないが、読んでくれたあなたにとってこのコラムが巨人との「接触1回」にカウントされ、「好きの連鎖」への追い風になったら素敵だなとは思う。「がんばってみるよ やれるだけ」「なんだかんだ言ってもつまりは単純に君(野球)のこと好きなのさ」※山崎まさよしさん『セロリ』歌詞より

©河野万里奈

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