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諦めない心、勝負強さ、負けん気。立浪和義新監督で“ドラゴンズ革命”が起こる!

文春野球コラム ペナントレース2021

2021/10/23
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運じゃなくて努力がヒーローの一打を呼ぶ

 立浪さんは、学校の男子たちにも大人気でした。大柄でムキムキな選手の中で頑張っている立浪さんに、子どもたちは身近さを感じていたのかもしれません。小柄だけど、熱くて、勇敢で、泥臭さもあって、みんなを引っ張っていく姿は、まるで少年マンガの主人公。『ONE PIECE』ならルフィです。

 ちなみに女子に一番人気だったのは、井端弘和さん。どんな難しいプレーでも涼しい顔でやってのける姿は、デートのディナーで椅子をさりげなく引いてくれるスマートさに通じています。少女マンガに登場するヒロインの相手役のような感じでした。

 立浪さんのカッコ良いところを挙げるなら「全部」。バッティングフォーム、プレースタイル、闘争心、努力を継続する力、諦めない心、勝負強さ、負けん気、顔、髪型、名前の字面まで完璧です。特にフォームは美しすぎます。そのまま銅像にしたいぐらい!

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 私はテレビ中継で応援するとき、じっと立浪さんの目を見ていました。人って目に気持ちが表れます。バッターボックスの立浪さんの目には、燃えるような闘志とどうやって相手を仕留めるかを計算しているハンターのような冷静さが両方ありました。相手を睨みつけるとか威嚇するのではなく、体の内側から出る“気”ですごい威圧感を与えていたのです。

 忘れられないプレーはたくさんあります。引退試合の最後の打席で二塁打を打ったときは泣けて泣けて仕方ありませんでした。同じ年の9月2日の試合、カープの前田健太投手に抑えられて0-4で負けていたときに代打で登場した立浪さんのタイムリーヒットも印象的です。1点及ばず負けてしまったのですが、立浪さんの負けん気がチームに波及したような試合でした。もちろん、2006年に巨人の上原浩治投手から打ったサヨナラ満塁ホームランも忘れられません。

 今、挙げたどのプレーも、日々鍛錬を積んでいるからこそ、ヒーローになるパワーが宿るのだと思います。運ではなく、努力が最高の場面で最高の一打を呼び寄せているんです。だからこそ立浪さん! という気分になります。

©文藝春秋

憧れの人、偉大なパイセン、人生の師匠

 私は幼い頃からギャルに憧れていて、高校生ですっかりギャルになっていました。よく誤解されますが、金髪にして厚底ブーツを履けばギャルじゃないんです。ギャルの心はずっと一緒で、「自分らしさをまっすぐ貫く。曲がったことは大嫌い」。ギャルはマインドなんです。

 私は立浪さんの「野球が好き」という自分を貫き通すブレない心に惹かれ、粘り強さや諦めない気持ちを学びました。立浪さんとギャルのマインドは通じていると勝手に思っています。立浪さんは憧れの人であり、偉大なパイセンであり、人生の師匠。立浪様は神様なんです。あ、私、普段は「立浪様」と呼んでます。

 野球は上手くいかないことのほうが多いスポーツです。打者は7割近くの打席を凡退しています。でも、そんな野球というスポーツと、自分を貫き続ける心を誰よりも持っている立浪さんとは相性が抜群なのだと思います(いいなぁ、私も野球になりたい……)。

 ドラゴンズはAクラスに滑り込んだことはありますが、この10年間、ほぼBクラスでした。もっとチームの状態が上向いてから、華のある立浪さんに監督を任せて華を持たせたほうがいいという意見もあるそうですが、私の意見は真逆です。こういう逆境のときこそ、立浪監督がふさわしいと思っています。

 今のドラゴンズには優しさより、明瞭な判断力に基づくピリリとした厳しさが必要だと思います。立浪さんには、素晴らしい才能を持っている選手たちに、諦めない心、勝負強さ、負けん気を植え付けてほしいです。そうすれば、必ずドラゴンズは強くなります。これが私の考える“ドラゴンズ革命”です。

 私たちのヒーローである立浪さんだからこそ、選手たちを鼓舞して“ドラゴンズ革命”を起こすパワーがあるはずです。

 立浪さん、目の覚めるような、眩い野球を期待しています!

©加藤里奈

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