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愛甲、伊良部、西岡…“やんちゃ”な選手たちが牽引してきたロッテ、次世代のリーダーは?

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/05/29
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次世代のリーダーはどうなのか?

 比べて現在の千葉ロッテマリーンズ。2年連続2位で、いよいよ頂点が近づいてきたかと思いきや今季の序盤戦は低迷。ファンとして、その試合内容や結果に落胆してしまうこともあるのですが、それ以上に感じるのは、かつてのような“やんちゃ”な選手が見当たらないこと。みんな大人しくて(……ように見えて)、目立っているのはひたすら佐々木朗希投手(20)。

 もちろんこの時代はどの社会でも、一定の枠からはみ出さないことが良しとされますから、型破りな選手はなかなか生まれないでしょう。でもヤクルトの村上宗隆選手(22)などは、そんな中にあって“やんちゃ光線”を放っていますよね。彼がルーキーの年、ヤクルトの某首脳が「野球だけやっていればいいんじゃない。礼儀とかもっと社会人として学ばなきゃいけないこともある」とこぼしていたことがあります。おそらく生意気に見える一面があったのでしょう。でも彼は結果を残すことで認められた。そして単に成績がいいだけでなく、時にマウンドの投手に声をかけたり、またある時には相手ベンチに睨みを効かせたり。そういうことの積み重ねで彼は今やチームで一目置かれるだけでなく、球界を代表する存在になりました。

 ロッテの若手では誰がそんなリーダーになっていくのでしょうか。キャプテンの中村奨吾選手(30)はもともとチームの先頭に立つタイプではなかったといいますが、実績と立場が人を変えたんでしょう。チームを引っ張る存在になりました。

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 では、その次の世代はどうなのか? 安田尚憲選手(23)や佐藤都志也選手(24)はそのタイプではなさそうに見えるし、髙部瑛斗選手(24)もどちらかといえば職人肌のように感じます。山口航輝選手(21)にはキャラがありますが、果たしてキャプテンシーという面ではどうでしょうか?

 もしかするとルーキーの松川虎生選手(18)が数年後そんな存在になっているのでは?って気もします。もちろん何よりも結果を出すことが一番で、目立つアピールをしたりチームを引っ張るというのはその先の話。それだけに彼らには、調子の悪い打撃陣の現状を打破してほしい。

 今の選手たちは、自分に関しての膨大なデータやビデオなどに囲まれています。ですから、目の前のコーチが「もう少しこうしてみたら?」とアドバイスをしても「ビデオではこうなってますから」「こういうデータがありますから」と言い返されてしまうこともあると聞きます。ある意味、教える側にとっては生意気な、“やんちゃ”な選手が多くなっているのかもしれません。でも、どんなに膨大でも、無機質なデータより、目の前で自分に愛情を注いで見てくれるナマの視線と指導は何十倍も貴重な可能性があることに気がつかないと。生意気になるなら敵に対してです!

 2~3年後なんて悠長なことは言ってられません。今すぐにでも、この交流戦で世間をアッと言わせる打のヒーローに出てきて欲しいものです。

 奮起せよ! ロッテ若手野手陣‼️
 放て! “やんちゃ光線”‼️

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