某球団に聞いてみると…
そこで、某球団の物品販売担当者に話をお聞きしたところ、丁寧にお答えくださった。
Q.タイガースの株主総会で球場のメニューについて言及されましたが、率直な感想は?
A. 阪神百貨店のイカ焼きは以前から知っており、大阪の方の大好物として認知度は高いので、個人株主様のご意見として、甲子園球場にも置いてほしいというご要望はありなのかなと思いました。
Q.甲子園でイカ焼きをメニューにするならば、具体的にどういう手順を踏むのでしょうか?
A. うちの本拠地球場ですと(甲子園もほぼ同じだと思います)、
(1)売店は年間契約ですので空き店舗が出れば公募します。審査を通れば出店が可能ですが、応募者が多ければ、選考に漏れると出店できません。
(2)空き店舗がない場合は、「イカ焼き」のワゴン販売が考えられます。但し、ワゴン販売は調理したものをウォーマーで温める形になるので、味が落ちる可能性があります。
(3)一番現実的な方法は、既存の売店さんがイカ焼きを「新商品」として販売することです。仕入れ・調理の方法や価格設定などの問題をクリアした上で新規メニューとして申請していただき、特段問題なければ販売OKとなります。
としたうえで、「一番大切なのは、イカ焼き業者さんの『やる気』ですね。甲子園はいつも満員になるので、偏りなく良く売れるはずですが、チケットの販売状況や、試合の有無が天候に左右されて中止や日程追加がつきものなので、常に主催者のニーズに合わせた商品の準備を、厭わずにやってもらう必要があります」。
イカ焼き業者さんの「やる気」は?
それでは、肝心のイカ焼き業者さんのやる気はどうなのか。販売元の栄食品(株)さん(守口市)を直撃してみたが、
「弊社のイカ焼きは、長きにわたり大阪の味として親しまれており、阪神百貨店でお買い求めいただいた商品を、多くの方々に甲子園に持ち込んでいただき、お召し上がりいただいていることもよく承知しております。今般、株主総会で直接甲子園球場でも販売してほしいというご意見があったのは大変ありがたいことだと思っています。但し、正式な(販売の)依頼がない中で仮定の話にお答えすることは難しいので、これ以上のコメントは差し控えます」とのこと。
個人的には勿体ないと思ったが、条件さえ揃えばメニューとして実現する可能性があることもわかった。
野球場では試合とグルメがダブルエース。試合がつまらないと、おいしいものを食べて救われる場合もままある。だからこそ、ファンのストライクゾーンを射抜くようなメニューの創出は永遠のテーマであり、関係者はその努力を怠ってはイカんのだ。
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