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三冠王も間近! 三輪広報が見つめてきたヤクルト・村上宗隆、規格外の男の素顔

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/09/24
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18歳の新人・村上宗隆と出会ったとき

 18歳の村上宗隆と出会ったのは僕が34歳のときでした。最初に感じたのはとても真面目だということ。高校時代捕手だった彼はプロに入って三塁手に転向しました。打撃に関しては入団当初から素晴らしい物を持っていても、セ・リーグの球団に入った以上「守備を頑張らなくては試合に出れない」と自覚していたと思います。

 森岡良介、三木肇(当時)両コーチの熱心な指導のもと自分の長所を伸ばしながら、守備の課題を克服していった。もちろんたくさんエラーをしただろうし、辛いこともあったと思うけど、黙々と守備に向き合っていました。

 打撃は別格でした。彼が1年目、僕も西都の2軍キャンプからスタート。34歳のおじさんは全体練習の後、「打球補」に臨んだんです。これはフリーバッティングをやっているとき外野守備に就いて、生きた球で守備をするという練習です。そのときちょうどフリーバッティングをしていたのが村上でした。

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村上宗隆

「うわ、すっげえ!」

 センターを守っていると、カーンと飛んできた打球があっという間に僕のところに来る。「あれ? 前に守っていたかな?」とバックスクリーンからの距離を見て守備位置を確認したら、まったくの定位置です。

「打球速いな……」と漠然と思っていると、次はワンバウンドでバーン! とグラブに入ってくる。「うわ、すっげぇ!」と思わずのけぞりました。今まで期待されて入ってきたルーキーを何人もみてきたけど、明らかに打球の速度が違うんです。

 そんな村上は1年目から胆力も違っていました。坂口智隆が僕のことを「マーシー」と呼ぶので、それがチーム内に伝播していました。奥村展征を始めとする“可愛い後輩”たちがシートノックのとき「ボール回し」の掛け声を「ボールマ〜シ~」とか言ってイジってきます。それを見た村上も、僕のほうをわざわざ見て「ボールマ~シ~」と言うではないですか。

「俺二十歳のときの4歳だぞ!」

 思わず「キミね、俺二十歳のときの4歳だぞ。4歳のときの記憶ないでしょ? 俺はハタチの記憶はあるよ!」とたしなめますが、翌日「マーシーさんおはようございます!」なんて挨拶してくる。あのいい意味でのフレンドリーさ、先輩に可愛がられるタイプなんです。

 ここだけの話ですが、先日、村上のスゴさを伝えるためにとある動画を撮りました。

 村上には「キミの打撃練習のときカメラ4台体制で撮っていいかな?」と事前に許諾を得ておいて、自らカメラを回しました。

 しかし……これは実際の動画を見てほしいのですが、奇跡が起きたんです。

 三輪選手、今年一番のビッグプレー!

 村上自身もびっくりしていたその奇跡とは……只今、大急ぎで編集中で、近日球団公式YouTubeで公開しますので、もう少しお待ち下さい。もちろんファンの皆さんに村上選手からプレゼントもありますので、楽しみにしていてくださいね。

実はもっとも向上したのは守備

 今や、日本中から注目される選手となった村上。その成長曲線があまりに急激で、打撃ばかりに注目が集まっていますが、彼を18歳から見ている僕には、どちらかと言えば守備のほうが技術が向上していると映っています。いずれにせよ、こんなに成長している選手を間近で見られるのは本当に幸せなこと。人ってすごいなぁって素直に思います。

 残り8試合、村上の記録はどこまで伸びるのでしょうか。そのホームランボールを摑むという奇跡を起こすのはあなたかもしれない(くれぐれもお願いしますが、危険なのでご自身の席から離れてボールを追うことはやめてくださいね)。

 そして記録を打ち立てた試合のウイニングボールは誰が持ち帰るのでしょうか。あわせて注目したいと思います。

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