中日ドラゴンズを全力応援している僕は、どんなに仕事が忙しいときでもドラゴンズの試合は必ず全部観るようにしています。今シーズンもすでに30試合以上を消化しましたが、ドラゴンズは今のところ最下位。正直、苦しい戦いが続いています。「噛み合っていないなぁ」と感じることがものすごく多いです。立浪和義監督からも「なかなか勝てなくてゴメンな」というLINEが届きました。

 若手選手を起用している分、守備などのミスで落とす試合も目立ちます。一方で、その分、伸びしろを感じさせてくれているのも事実。ミスした後、萎縮してプレーが小さくなってしまう感じがしないんです。選手たちからは「見返してやろう」という負けん気を感じます。負け試合が続いていますが、「この失敗を糧にして成長してくれるんだろうな」と素直に思えるんです。

辻本さん着用のTシャツは中日ドラゴンズ×ビューティ&ユース コラボ Tシャツです

敗戦につながる守備のミスがあったが…

 たとえば、新人の福永裕基選手と村松開人選手はそれぞれ試合で敗戦につながる守備のミスがありました。でも、福永選手はトンネルをしてしまった3日の阪神戦の翌日から3試合連続マルチ安打で、5日には2ランホームランを放っています。村松選手も4日の阪神戦でゲッツーを取り損ねて逆転を招いてしまいましたが、その後ヒットを重ね、5月第2週は打率4割超え。14日の試合では満塁ホームランを放ちました。

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 ミスの後は、きっと気持ちが入っていたと思いますが、気持ちが入りすぎていても野球は上手くできません。福永選手、村松選手は、気持ちが昂ぶっているときでも、自分が積み上げてきたバッティングの技術をそのまま出すことができるのでしょう。大事なところでベストなパフォーマンスができるかどうか。これは打率が高くても得点が少なかったり、試合を決める大事なチャンスで一打が出なかったりしたドラゴンズにとって、とても大切なことだと思います。

 明治大学のキャプテンを経てドラフト2位で入団した村松選手と、二度の指名漏れを経験してドラフト7位で入団した福永選手。ある意味、対象的なキャリアのルーキーが、二遊間でコンビを組んで切磋琢磨しているのを見ているのは本当に楽しいです。今年1月、合同自主トレを間近で見させていただく機会がありましたが、村松選手からは同世代の選手をまとめていくキャプテンシーを感じましたし、福永選手からは絶対チャンスを逃さないという鬼気迫るものを感じました。

福永裕基 ©時事通信社

 ここに来年は田中幹也選手も加わります。今年はリハビリをしながらも、何か新しい武器を持って帰ってきてくれれば、この世代の争いはもっと面白くなります。お互いに高め合いながら、お互いの意地やプライドを賭けて頑張ってほしいですね。

 ドラフト1位の仲地礼亜投手には取材をさせていただいたのですが、甘いルックスとゆっくりした可愛い話し方に反して、シャープな腕の振りが印象に残りました。キャッチボール一つとっても工夫しながらやっていましたし、足を上げて立っている姿勢からの体重移動を入念に細かくチェックしている姿も印象に残っています。初先発は1回でマウンドを降りましたが、これから十分期待できると思います。

 一軍に帯同した山浅龍之介捕手、ファームで試合出場を重ねている森山暁生投手、濱将乃介選手もいいですよね。こんなにチャンスが与えられているルーキーはなかなかいないと思います。現状、チームを変えていかなければいけないという状況の中で、実際にチームを変えていくことができる選手たちだと僕は確信しています。