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いつも一生懸命な細川成也選手から感じる「試合に出られる喜び」

 ルーキーではありませんが、新入団の選手といえば、細川成也選手の活躍を見るとグッと来ます。お会いしたことはないのですが、誰が見てもわかるぐらい、試合中に手を抜くような瞬間もなく、一生懸命打って、一生懸命走って、一生懸命守っている。すごく真面目な選手だと思います。細川選手自身が語っていた「試合に出られる喜び」を感じますし、中軸としての責任を果たそうという必死さも感じます。

 フルスイングで長打が打てるし、追い込まれたら軽打もできる。勝負どころで強く、殊勲打が多いのが特徴で、チャンスに弱かったドラゴンズにはいないタイプの選手だと思います。現在は経験のないファーストでの起用が多いため、やっぱりエラーが出てしまうこともありますが、バッティングで取り返してやろうという強い気持ちを感じます。

 僕も経験がありますが、失敗した後でネガティブな気持ちになると、身体が動かなくなってしまうものです。たとえば、僕は声帯ポリープができてノドを二度手術したことで、ノドの感覚がまったく変わってしまい、今まで当たり前にできていたことができなくなってしまいました。歌の自分のパートで「出ないかもしれない」と思うとやっぱり出なくて、「音を外すかもしれない」と思うと本当に外してしまうんです。

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 ボイストレーニングに通い、基礎を練習して克服したのですが、やっぱり筋肉の動きはメンタルの状態に左右されるものだとわかりました。野球でも「(自分のところに)ボールが飛んでくるな」と思っていると、飛んできてしまってエラーするという話はよく聞きますし、自分も何回か経験したことがあります。心と身体は連動しているんです。逆に苦手意識のあった歌のパートでも、1回できればそのときの感覚や自信によって、まったくミスらずにできるようになった経験もあります。

 ミスをしても「次は絶対やってやる」「次はできる」という強い気持ちがないと、自分が本来持っているパフォーマンスも出すことができません。

 ミスは誰でもあります。若い選手、経験の浅い選手ならなおさらでしょう。守備では同じミスをしないようにするしかないですし、打撃なら結果を出すしかありません。でも、ドラゴンズの若い選手たちはそれができる。僕はそう信じています。

「改革をするんだ」という立浪監督の気持ちはオーダーを見てもすごくよく理解できます。僕たちBOYS AND MENがドラゴンズ中継のテーマソングを歌わせていただいてから8年経ちますが、ずっと“強いドラゴンズ”ではありませんでした。賛否両論あると思いますが、大幅に変えなければいけない時期に来ていると思います。

 チームが変わる時期は痛みをともなうこともありますし、上手くいかないこともたくさんあると思います。時間もかかるし、成功よりも失敗のほうが多いかもしれません。試合を見ていてダメージを食らうことも多々あります(笑)。でも、ルーキーや新加入の選手たちに去年台頭した岡林勇希選手やケガから復帰した石川昂弥選手らが噛み合えば、一気に上に行けるんじゃないかと思っています。見ていてすごく「楽しい」というより、とても「楽しみ」なのが今のドラゴンズなんです。


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