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和田投手と話し合いながら完成した新登場曲『光』

 そして今年、完成した新登場曲『光』に、ついに黒沢さんをスペシャルコーラスで迎えるオファーを出させていただいた。和田投手への憧れと同じくらい、私の楽曲で黒沢さんとコラボしたいというのは夢だった。

 快くその申し出を受けてくださった黒沢さんの、コーラスレコーディングに立ち会うことが許された。和田投手の登場曲である自分の楽曲で、黒沢さんがコーラスを歌ってくださっている。私の歌声に黒沢さんのハーモニーが重なっていく。

黒沢薫さんと筆者 ©冨永裕輔

 今回、『光』のコーラスアレンジに悩んでいた際、サークルの同級生にも力を借りた。Little Glee MonsterのコーラスアレンジやTVの歌番組の審査員など日本のコーラスシーンを代表する存在になっており、自身もコーラスグループINSPiのベースボーカルとして活躍している吉田圭介くんだ。彼とはサークル時代に共に歌い、横浜ランドマークタワーのレストランでライブをするなど、切磋琢磨した仲間だ。

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 自分がアレンジした『光』のコーラスを聴いてもらい、感想やアドバイスをもらった。そしてブラッシュアップして、あの冒頭のサビのハーモニーとなったのだ。

 また、この『光』の完成には、和田投手にも多くのご協力をしていただいた。歌詞や構成に関して感想やリクエストをいただき修正もしたし、さらに完成した『光』を世界配信するためにジャケットデザインが必要となる中、そのデザインも和田投手と話し合いながら進めていった。文字のフォントや位置など、また文字の輝きなど細かいところまで微調整を重ね、ついにジャケットデザインが完成。2023年シーズン開幕前に世界配信を間に合わせることができた。

『光』世界配信ジャケット写真

「マウンドで聴くと、よりパワーを感じられる曲」

 そして迎えた4月26日のPayPayドーム。

 新登場曲『光』が流れるなかを、和田投手がマウンドへ駆けていく。

 降り注ぐ光のようなイメージで歌い、黒沢さんのコーラスが重なる冒頭のハーモニーのところで、和田投手がマウンドに上がった。そして歩幅を数えて足場を慣らしていくなかで、曲はポップ調に変わりハイビートへと勢いを増していく。そこから和田投手の投球練習とともに、聴いてもらいたいサビまでがしっかり流れた。

 私は当日、球場へ行くことができずにテレビ中継を観ていたのだが、初めてこの歌が流れる試合にもかかわらず、スタンドのファンが「光と共に」というボードを掲げているのが映し出されていた。

 そしてその日、SNSや自分のラジオ番組に『光』を褒めていただくたくさんのメッセージが届いた。ほっとした。嬉しかった。

 その日、見事なピッチングでチームの連敗を止めて勝利を挙げた和田投手からも「マウンドで聴くと、よりパワーを感じられる曲」という実に嬉しい感想を頂戴した。

 和田投手の存在は自分の青春時代とも重なる。走り続け、輝き続ける和田投手に自分も力をもらい、歌い続ける勇気をいただいている。

 和田投手から勇気をもらっている人は、もちろん私だけではないはずだ。この歌が、そんな和田投手の心に宿る炎を燃やす力のひとつになれれば、これ以上幸せなことはない。

 また、この歌は野球に限らず、すべての人の光になれるよう願いを込めて歌っている。和田投手を応援する『光』が、あなた自身の人生の応援ソングになれば幸いだ。

(ファン提供)

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