スプリットに頼りすぎ? もっとストレートを投げ込もう!
これは個人的な感想ですが、今は少しスプリットに頼りすぎなんじゃないかと感じてしまいます。きっと今、一番自信のある球がスプリットということなんでしょう。
もちろん、キャッチャーやコーチといろいろな話をしたり、たくさんのデータを見たりして決めていることだと思います。だけど、ちょっとかわしすぎなんじゃないかな……と思ってしまいます。
ドラゴンズの投手陣全体の課題だと思いますが、野手がなかなか点を取れない中で、どうしてもピッチングが丁寧になりすぎているような気がします。宏斗くんもそうで、カウントを悪くしてしまい、球数がかさんでしまうことがある。球数を使ってもきっちり抑えたい、ランナーを絶対に出したくない、という気持ちが強すぎるのではないでしょうか。
でも、高橋宏斗の可能性って、そんなものじゃないと僕は思っています。
僕の思いとしては、宏斗くんはストライクゾーンでどんどん勝負してほしい! 多少甘くてもゾーンに投げ込んだストレートでファウルを取って、スプリットで決めることができれば、もっと球数少なく、完投、完封までいけるんじゃないかと思います。コースぎりぎりを狙うのもいいですが、積んでいるエンジンがすごいのだから、自信を持って投げ込んでほしいです。
同じ痛い目に遭うとしても、かわそうとして痛い目に遭うより、アグレッシブに突っ込んでいって痛い目に遭ったほうがいいんじゃないでしょうか。そうしなければ得られないものがたくさんあるような気がします。
今のドラゴンズは成長途上のチームです。毎試合楽しみにして見ていますが、たしかになかなか勝ちにつながりません。負けにつながる手痛いエラーもあれば、目を覆いたくなるようなミスもあります。でも、それは全部、未来への投資であり、大きく成長するための糧なんです。悔しい気持ちはありますが、これからという若手には思い切ったミスが時には必要だとも思うのです!
だから、宏斗くんにはやっぱり大胆に攻め込んでほしい。常時160キロ近い球を投げられる先発投手なんてなかなかいないのですから、もっと大胆に投げ込んでストレートで圧倒できる投手になってほしいと思います。
実は、取材のときに「ストレートが課題」と話してくれました。スピードはあるけど、キャンプ時や、侍ジャパンの代表選手と一緒の練習でトラックマンを使って計測すると、球の質があまり良くなかった。だから山本由伸投手とのトレーニングではストレートを磨いて「空振りのとれるストレート」にしようとしていたそうです。
宏斗くんに目標を聞くと「山本由伸さん」と答えてくれました。本当に慕っているんだなって感じますし、憧れや目標を持つのはすごくいいことだと思います。でも、あえて言うなら、パワーとキレでメジャーリーガーも圧倒できるようなスケールの大きいオンリーワンの投手になってほしい。5回で100球投げてる場合じゃないんです。宏斗くんのポテンシャルなら必ずできるはず! これが、高橋宏斗ファンの僕からの希望です。
追伸:宏斗くん、今度一緒にサウナ行きましょうね!
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