ファイターズに入団した初年度にはみんな千葉県民になるのだ
近藤健介(現ソフトバンク)は千葉市緑区出身でマリーンズジュニアの出世頭。現在の選手の中では、田宮裕涼(成田高出)、有薗直輝(千葉学芸高出)に加えて、中日から移籍してきた郡司裕也(市原市出身)も元マリーンズジュニア。マリーンズ以外の写真を多くは載せない千葉日報が、7月5日のスポーツ面に「郡司、プロ1号」と写真記事を掲載した。
実は、ファイターズは千葉県ゆかりの選手が大活躍しているのだ。
千葉日報のスポーツ面は千葉県出身者、千葉の高校出身者の名前の後にカッコをつけて出身を記載しているが、ファイターズの投手陣を7勝の上沢直之(専大松戸出)、6勝の鈴木健矢(木更津総合出)、5勝の加藤貴之(拓大紅陵出)と千葉県勢が支える。ルーキー宮内春輝は匝瑳(そうさ)市出身で千葉県立多古(たこ)高校出。千葉県難読地名の認知に一役買っている。
そもそも、ファイターズに入団した初年度にはみんな千葉県民(鎌ケ谷市民)になるのだ。多くは県内の自動車学校を卒業して幕張で免許を取る。みんな千葉県ゆかりの選手。
エスコン元年で東京ドーム開催がゼロになった今年、僕は鎌スタ自由席パスポートってやつを購入して、鎌ケ谷スタジアムに足を運んでいる。最寄駅から鎌ケ谷駅まで1時間ほど。
6月23日には鎌スタで試合を見たあと、ZOZOマリンでえのきどいちろう監督とマリーンズ対ファイターズを観戦。いわゆる親子ゲームってやつですね。
この日は習志野高校吹奏楽部がライトスタンドでマリーンズを特別応援。流れを一気に持っていきそうな美爆音とMファンのコラボはすごい迫力だ。楽勝ムードが一転、マリーンズに攻め立てられながら逃げ切ったファイターズ。勝った上にブラスバンドのコンサートを堪能して得した気分。
勝ち投手は拓大紅陵高出の加藤貴之で新日鉄住金(現日本製鉄)かずさマジック出の玉井大翔が好リリーフ。イベント名「ALL FOR CHIBA FES」の看板に偽り無しなのだった。
京葉線の下り電車に乗る。マリーンズのユニフォームが数人。ファイターズのユニフォームは一人だけ。でも、後ろめたさはない。
これからも僕は、千葉への愛を育みつつ、ファイターズ愛を貫いていく。
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