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残る選択肢は「センター試験」続行? 英語の次は国語……大学入試改革で起こるドミノ倒し

英語だけじゃない! もう1つの「民間丸投げ」

 B(5)の「高校生のための学びの基礎診断」とは何かについて詳しくは、「大学入試改革『炎上』の裏に潜むもう1つの火種」(https://toyokeizai.net/articles/-/310461)を参照されたいのだが、要するに下記に挙げるような民間検定試験によって基礎学力を測るもの。高校のカリキュラム・マネジメントのためのツールとして使用されるばかりでなく、2024年度以降にはいわゆる推薦入試やAO入試のような特別入試の学力確認に使用されることが示唆されているものだ。

 これも英語民間試験と同様に、民間試験に丸投げのスキームとなっており、すでに文科省が、ベネッセ、学研、Z会、リクルート、英検、漢検、数検など複数の民間業者のテスト(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kaikaku/__icsFiles/afieldfile/2018/12/26/1411945_001.pdf)に認定を与えている。これらを使って、思考力・判断力・表現力までをも見るということだが、認定されているテストの質に対し、英語民間試験以上の疑問の声が現場からはすでに上がっている。大学入学共通テストへの英語民間試験導入が見直されたいま、こちらも早急に見直されるべきだろう。

 ここまでをまとめると結局のところ、2024年度を待ったとしても、できることは実質的に「センター試験」の名称を「大学入学共通テスト」に替えるだけとなってしまう可能性は意外と高い。

 そもそも今回の大学入試改革は、政権を奪還したばかりの自民党政権下で組織された教育再生実行会議が2013年10月31日にまとめた「高等学校教育と大学教育との接続・大学入学者選抜の在り方について(第四次提言)」を青写真としている。その概要は以下の通りだった。

今年1月のセンター試験会場にて ©AFLO

<センター試験について>
●センター試験を廃し、代わりに「達成度テスト(基礎レベル)(仮称)」と「達成度テスト(発展レベル)(仮称)」の2段階のテストを実施する
●これらは年間複数回実施する
●これらは1点刻みではなく段階別の結果を出すようにする
●外部検定試験の活用も検討する
●コンピュータを使用した試験実施も視野に入れる

<個別の大学入学者選抜について>
 面接、論文、高等学校の推薦書、生徒が能動的・主体的に取り組んだ多様な活動、大学入学後の学修計画案を評価するなど、多様な方法による入学者選抜を実施し、これらの丁寧な選抜による入学者割合の大幅な増加を図る。推薦・AO入試に関しては「達成度テスト(基礎レベル)(仮称)」の利用を示唆。

 文科省はこれを実現しようとなんとかここまでやってきたわけだが、とうとう白旗なのである。2024年度に少しでもこの国の大学入試システムを改善したいというのなら、今回明らかになった問題点を踏まえたうえで、教育再生実行会議にて、この第四次提言自体を「再生」してみてはいかがだろうか。

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