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官邸まで巻き込む大論争 リアルドール禁止を求める韓国女性たち《署名は26万人超》

 7月8日には大統領官邸ホームページに、「リアルドールの輸入・販売を禁止してください」という請願が登場。女性と見られる投稿者はダッチワイフが人間の尊厳を傷つけるとしつつ、「動かない人形に満足できない人たちが、生身の女性に性犯罪を行う可能性がある」などと危機感を訴えた。

 そこでもう1つ問題とされたのが、「好みの顔に似せてカスタマイズするサービス」。韓国では知人女性の顔写真をアダルト画像に合成するなどの行為が社会問題化しており、投稿者は同じことが等身大の人形で行われると警鐘を鳴らしたわけだ。確かにネットで頭部の特注製作などを宣伝する業者は、少なくともその時点では存在した。だが一部現地メディアでは、詐欺の可能性が高いとも指摘されている。コストに対して業者がうたう料金が安すぎる、というのが理由だ。

リアルドール論争を伝える「聯合ニュースTV」(8月8日)

 官邸ホームページでの請願は、同意する署名が30日間で20万筆以上集まると政府から何らかの回答がなされる。「リアルドール禁止」の請願に寄せられた署名は、計26万3792筆。これを受けて官邸は9月、「児童を模したリアルドールは規制案を積極的に検討する」「(特定人物に似せるカスタマイズは)厳正な処罰がなされるよう法的な検討を行う」などと回答した。

支配欲解消のための「強姦人形」?

 だが官邸の回答にも、反対派の声は収まらない。9月28日にはソウル旧市街中心部の清渓広場で、「リアルドール輸入許可判決糾弾デモ」が開かれた。集まった女性約200人は最高裁判決を糾弾しつつ、「リアルドールは女性の身体を男性の性欲・支配欲解消の手段として消費する性搾取文化」と批判。リアルドールが「強姦人形」だとするプラカードを手に、その「全面禁止」を訴えた。

 このリアルドール論争、韓国国内ではさまざまなところに飛び火している。10月18日には建国大学身体文化研究所の女性学者、ユン・ジヨン教授が、「リアルドール:支配のエロチシズム」と題した論文を発表。ユン教授は「アダルトグッズを使う場合、女性は自分の身体の感じる部分に集中するが、男性は女性の身体を支配することに集中する」などと述べ、性具を巡る男女差の論述などがメディアの注目を集めた。

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