『スマスマ』お蔵入り事件とグループ解散。爆笑問題とタイタンはその裏で——
(聞き手・構成 石戸 諭・ノンフィクションライター)
「私が芸能界に戻ることは多分ないと思います」
東京・日比谷にある帝国ホテル内のフレンチレストラン。個室で一緒にテーブルを囲んだのはSMAPの元マネージャーである飯島三智さんでした。
SMAPといえば誰もが歌えるヒットソングの数々があり、バラエティーに出れば芸人に負けないほど番組を盛り上げ、映画やドラマにも引っ張りだこ。彼ら5人が「国民的アイドル」にまで上り詰めた陰には、“SMAP育ての親”として知られる敏腕マネージャーの飯島さんの存在があることをこの業界で知らない人はいません。
飯島さんとはじめて食事をしたのは2016年のことで、彼女が旧ジャニーズ事務所を退社してまだ間もない頃だったと記憶しています。2016年は年明け早々にSMAPの解散危機が報じられ、1月18日にはフジテレビ系の『SMAP×SMAP』でメンバーによる“謝罪”生放送があり、すわ解散かと世間は大騒ぎしていました。飯島さんが騒動と同時期に旧ジャニーズ事務所を退社したことを知った私は、共通の知人に頼んで食事の場を設けてもらうことにしました。会食にお誘いしたのには理由がありました。
「失礼かもしれませんが、もしよろしければタイタンに来ていただけないですか」
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source : 文藝春秋 2024年8月号