月刊「文藝春秋」の名物政治コラム「赤坂太郎」。国民民主と維新を両天秤にかけて予算を通すも、秋に総選挙との予測が
「歴史に残る一枚だ。大統領が、自分はこうして神様から選ばれたと確信したに違いない」
2月7日(日本時間8日)、米ワシントンのホワイトハウスで、初めてトランプ大統領と向き合った石破茂首相の言だ。トランプが昨年7月に銃撃された際、星条旗を背に拳を突き上げた写真について持ち上げてみせた。トランプとはキリスト教長老派のクリスチャンという共通点を持つ石破が、会談当日の朝に思いついたフレーズだ。もっともトランプは「長老派教会で堅信礼を受けたが、今は無教派だ」と述べており、石破ほどに信心があるとは思えない。
石破がプライドをかなぐり捨ててトランプにお追従した首脳会談では、対米投資の1兆ドルへの引き上げや防衛装備品の購入などを提案して、トランプの歓心を得た。外交音痴とされる石破にとって、予測不能なトランプとの対峙は不安要素が多かったが、会談はひとまず「成功」(首相周辺)に終わったといえよう。

昨年11月からの「総力を挙げた事前準備」(同前)が功を奏したのは、日本製鉄によるUSスチールの買収問題だ。経済産業省の荒井勝喜通商政策局長らが中心となって日鉄側と何度も事前に折衝し、投資への転換案を練り上げた。「買収ではなく多額の投資ということでどうだろうか」。会談で石破が持ちかけると、トランプは「グッドアイデア」と応じた。後日、石破は「経産省は本当によく頑張ってくれた」と労った。
外務省幹部は「(安倍)昭恵さんの人の良さにも助けられた」と指摘する。昨年12月にトランプ夫妻と会食した際、「(政敵と言われる)主人と石破さんは仲の良い時期もあった。立派な政治家です。同じ日本の首相なので、私たち同様に大切にしてください」と口添えしたという。
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source : 文藝春秋 2025年4月号