絶望した母親に希望を与えた「偶然の出来事」とは――
2024年11月7日(木)
栃木県内向けの地方紙下野新聞11月4日付が同紙論説室から郵送されてくる。私は同紙の客員論説委員を務めていて、年に2回だけだが、一面の論説コーナー「針路」に、やや長目の時事評論を寄稿している。
今回は、「プーチン大統領と核兵器」というタイトルで、プーチン大統領がウクライナ侵攻を巡って、「必要であれば核兵器の使用を辞さない」と発言していることの“本気度”を分析的に論じた。新聞各紙とも、きちんと“本気度”の分析をしていないので、ここで「針路」欄で私が論じたことの核心部分を紹介しておきたい。
分析の視点として重要なのは、(1)ロシアの権力者はロマノフ王朝時代からスターリン・ブレジネフの社会主義体制の時代を通して、ウクライナを属国あるいは自国領土と見做してきたことと、(2)ロシアの歴史においては、国家体制やイデオロギーが変わろうと、大量虐殺や暗殺が平然と繰り返されてきたという事実だ。
プーチンの本音を見抜け
(1)を象徴するのは、1932年から33年にかけて、当時のソ連内のロシアが大飢饉に襲われた時、スターリンの命令でウクライナから小麦などの食料の約半分を強制移送させ、結果、ウクライナでは700万人から1000万人が餓死したという事実だ。
(2)については、スターリンの死後、権力を握ろうとしたベリヤ(秘密警察のトップ)はフルシチョフらによって処刑されたし、プーチンが独裁的権力を握った後、政敵の野党指導者が路上で暗殺されている。
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source : 文藝春秋 2025年4月号