親友の加藤和彦はむなしさに飲み込まれた (取材・構成 秋山千佳)
人間の様々な感情を表す日本語に「喜怒哀楽」がありますが、私は「喜怒哀空楽」としてもいいのではないかと思っています。
空虚の“空”、すなわち「むなしさ」です。

自分の人生に意味はあるのか。自分に存在価値があるのか。何をしても砂を噛むようで、味気ない……。
ふと訪れるむなしさは、誰にでも覚えのあるものでしょう。
とりわけ若い頃はこうした感覚に敏感ですし、なんとか打ち消そうと苦闘して余計にむなしくなる。
私自身、大学時代に「ザ・フォーク・クルセダーズ」(フォークル)の一員として突然芸能界デビューすることになり、むなしさに圧倒されていました。表舞台の自分と普段の自分とではどちらが本当の自分なのか、日常の自分には価値があるのだろうか、と。結局、フォークルは一年足らずでメジャーとしての活動を終えて解散しました。
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source : 文藝春秋 2025年4月号