一枚の名画をのぞき込んでみると……

✓見えてきたのは「未婚のプリンセス」
老いた猛禽類のような彼女は、前スペイン王の娘にして、現スペイン王の姉マリア・ホセファ。56歳のプリンセスだ。結婚適齢期に、その地位にふさわしい大国の王子がいなかったため、宮廷の居候のごとき立場に置かれている。流行遅れの付け黒子をしているが、一説にはこのころ重い丹毒にかかっていたので、それを隠すためとも言われる。この絵が完成してまもなく病死した。
富籤にあたったパン屋の一家

『スペイン国王カルロス4世とその家族』
1800年、油彩、280×336cm、プラド美術館 / 写真提供 Alamy Stock Photo/amanaimages
スペインの首席宮廷画家にのぼりつめたゴヤは、張り切って王一族の肖像画に取り組んだ。目指すは先達ベラスケスの傑作『ラス・メニーナス』。
画面左端の奥、巨大なキャンバスを前に自画像を置いたのも、『ラス・メニーナス』と同じだ。
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source : 文藝春秋 2025年5月号