ガラパゴス社会の日本が有利になる
2025年1月20日、世界中のAI関係者に激震が走りました。中国の生成AIスタートアップ企業の「DeepSeek(以下、ディープシーク)」が最新の生成AIモデル「DeepSeek-R1(以下、R1)」を発表したからです。
なにが衝撃だったのか。当時、オープンAIの最新モデルにしかなかった性能を、常識外れの低コストで実現し、さらにその開発技術を公表したことです。
「これから時代が変わるかもしれない」と感じて興奮した――。AI研究者としての率直な感想です。
ところが、投資家の反応はまったく逆でした。通常、AI研究で進歩があると、研究者と投資家の両方が喜ぶものですが、R1の発表から1週間後、アメリカの株式市場が突然反応しました。AIに欠かせないGPU(画像処理半導体)で世界シェア9割を誇るエヌビディアの株価が暴落し、時価で5890億ドル(約91兆円)もの巨額が吹き飛んでしまったのです。
AI産業におけるアメリカの優位性を揺るがしかねない技術革新ですから、動揺する投資家心理もわかります。とはいえ、AI研究に広く資する発展ですから、悪材料とだけ捉えるのは短絡的でしょう。
今井翔太氏(31)はAI研究で知られる松尾豊東京大学大学院教授の研究室出身にして、国内トップクラスのゲーマーでもある。昨年出版した『生成AIで世界はこう変わる』(SB新書)がベストセラーとなった。ディープシークは、今後のAI産業にどのような影響を与えるのか、今井氏が解説する。
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source : 文藝春秋 2025年5月号