全会一致の不信任決議による失職から48日。斎藤元彦氏が兵庫県知事に再選した。「半年間、独りぼっちだった」と吐露した元知事は、SNSの熱狂を背景に111万人余の県民から信託を得た。だが、その前途には――。

 

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街頭演説には大勢の聴衆が

 11月17日。神戸市中心部を東西に貫くアーケード「元町商店街」の一角は、殺気立つほどの緊張感に包まれていた。午後8時を過ぎた瞬間、人だかりから、破裂音のような拍手と歓声が響き渡る。

〈当選確実〉

 民放番組の画面に赤いテロップが躍ったのだ。

「サ・イ・トー! サ・イ・トー!」

 誰からともなく大合唱が沸き上がると、支援者たちは泣き叫び、抱き合って喜びを分かち合った。やがて登場した主役を前に、報道各社がインタビューを始めようとすると、

「謝るのが先だろ!」

「あーやまれ! あーやまれ! あーやまれ!」

 これまで何度も彼にカメラを向け、知事としての資質や責任を追及してきた報道クルーに、容赦ない怒声がぶつけられる。そんな中、選挙戦を制した斎藤元彦・兵庫県知事(47)は静かに口を開くのだった。

「本当に感無量です」

出馬会見では「おごり、慢心があった」

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source : 週刊文春 2024年11月28日号