暮れに、親しくさせてもらっている相撲部屋のお餅つきに行った。
お相撲さんのついたお餅は、粘り気が強く本当においしい。アンコや納豆、キナコと3種類頬ばったうえ、大鍋のちゃんこ汁もいただき本当にお腹いっぱい。
帰りにのし餅を2枚いただいた。
帰ってそれを切りながら、しばし思い出にふける私。子どもの頃のお正月、どうしてあんなにたくさんのお餅を食べたんだろう。三ヶ日、家族が食べる数の切り餅をとりに行くのは私の役目であった。父親が6つ、母が4つ、私と弟が3つ。うちの中でいちばん寒い、階段下のダンボールの中、それをとって火鉢の網の上に置く。やがてぷっくりふくれていく切り餅は、今よりもはるかに大きかった。
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source : 週刊文春 2025年1月30日号