(Christian Bollard トゥールダルジャン日本代表総支配人。1958年フランス・パリ生まれ。シャンパーニュ騎士団日本支部総領事、UFE(在外仏人協会)日本支部副理事長。東日本大震災の被災地に食事提供などを行った団体「ラ・キャラバン ボン・アペチ」を在日仏人、日本人有志と設立。2024年仏政府より国家功労勲章授与。)

子供の頃にいつも遊んでいたのは、ルーヴル美術館からコンコルド広場に続くチュイルリー公園でした。自宅からオペラ大通りを渡って、ヴァンドーム広場に建つナポレオン1世のオーステルリッツ戦勝記念柱の横を通ると、「カルティエ」の入り口にいる顔馴染みのドアマンが手を振ってくれたりして。公園のマロニエの木立ちを通り過ぎて、中央の丸い池でプティ・バトー(小さな帆船)を浮かべて遊べる夏が大好きでした。
創業1582年、世界でもっとも古いレストランのひとつであるフランス・パリの名門レストラン「トゥールダルジャン」。昨年、千代田区紀尾井町の「ホテルニューオータニ」にある世界唯一の支店も40周年を迎えた。日本と密接な関係にあるこのレストランの歴史を語る上で欠かせないのが、日本代表総支配人クリスチャン・ボラー氏だ。いわゆる貴族の家系に生まれた、生粋のパリジャン。東京店開業のために26歳で来日し、以来、店と共に歩んできた、パリ本店のエレガンスと魂を体現する唯一無二の存在だ。
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source : 週刊文春 2025年2月20日号