原発に隠された暗部が白日の下に晒された。関電役員ら20人が3億以上の金品を受け取っていたという。関西屈指の大企業に属するエリートたちはなぜ汚れた金を手にしたのか。その背景には、約50年に及ぶ原発のドンと関電エリートとのズブズブの関係が存在した。
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衝撃の一報は共同通信の社会部が数カ月かけて取材した特ダネだった。
「関西電力の八木誠会長(69)ら6人が2011年から7年間に、関電高浜原発がある福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(今年3月に90歳で死亡)から、計約1億8000万円の資金を受け取っていたとする内容で、各メディアは蜂の巣をつついたような大騒ぎになったのです」(社会部記者)
端緒となったのは昨年の金沢国税局による税務調査で、原発関連工事を請け負う地元建設会社「吉田開発」から森山氏に対して3億円が渡っていたことが判明。記事はこうした“原発マネー”が関電の役員らに還流した疑いを指摘していた。
「関電の岩根茂樹社長(66)はOBを含む20人が計約3億2000万円分の金品を受け取っていたことを明かし、『(森山氏は)地元の有力者で、原子力の事業運営に悪影響が出るのではないかと思い、なかなか返せなかった』と釈明。森山氏に返却を強く拒まれ、『一時的に個人の管理下で保管していた。儀礼の範囲内を除いて、すべて返却した』とした。言葉の端々から、森山氏への気遣いが窺え、逆に森山氏の影響力の大きさが際立つ形でした」(同前)
関西電力と言えば、国内九電力のなかでも原発依存度が高く、福井県若狭地方に合計11基の原発を保有し、11年の東日本大震災以前は、電力の約半分を原発で賄ってきた。
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source : 週刊文春 2019年10月10日号